中国市場で自社製品・サービスをPRするためのツールとしてWeChatは欠かせません。多くの中国人が毎日利用しているアプリに広告を表示させられば一気に認知を拡げることができます。しかし、広告を表示させるためにはさまざまなステップが必要です。
そこで今回はWeChatに広告を出稿する方法をお伝えいたします。
WeChat(微信)は中国で人気No.1のSNSアプリ
今や全世界で11億人以上が利用するというWeChat。もともとは中国のテンセント社が提供するメッセージアプリでした。日本に住んでいるとあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、テンセントは、企業としての時価総額も全世界トップ10以内に入るほど、急成長を遂げた巨大企業です。
WeChatは年々高機能化しており、現在ではQRコード決済(WeChatPay)やWeChat内にアプリを作成可能。これらの機能の便利さ、手軽さ、WeChatだけあればいいという万能さから中国では人気No1といわれるアプリに成長しました。
WeChat広告について
多くのユーザーが利用するWeChatには広告も出稿可能。多くの人にリーチできるので、中国での認知拡大を狙う場合、広告は欠かせないツールになるでしょう。広告出稿と合わせてKOLや網紅を活用したマーケティングも合わせて行うと、一気に認知を拡大できます。
WeChat広告に出稿できる広告種類
WeChatにはLINEでいうタイムラインに相当する「モーメンツ」があり、多くのユーザーはFacebookやtwitterのように近況などをモーメンツで報告しています。このモーメンツに「モーメンツ広告」と「バナー広告」の2種類の広告を出稿することができます。
モーメンツ広告
モーメンツ広告はタイムライン型の広告。広告ですが、ユーザーとのコミュニケーションも可能というのが面白いところ。通常の投稿のように広告を出稿できるので、「コメント」や「いいね」「シェア」などを行えます。
バナー広告
公式アカウントページの下部に表示され、細かな属性でターゲティングできるのがバナー広告です。目的によって「ワンクリックフォロー広告」「クーポン広告」「キャンペーン広告」「アプリ広告」に分かれています。
ワンクリックフォロー広告は、フォローを促す目的で利用する広告。
クーポン広告はクーポン機能に誘導し、ユーザーにクーポン割引利用を促す広告。
キャンペーン広告はWeChat外に誘導する目的で使われる広告。
アプリ広告はアプリのダウンロードを促す広告。
自社の達成したい目的に合わせて広告を選択しましょう。広告にはそれぞれ条件があり、規約も変化していっているので、広告出稿を行う際は最新の規約をしっかりと確認しましょう。
WeChat広告のメリット
11億人以上が利用するWeChatはバナー広告を出稿すると、1日20億PV以上にもなるそうです。中国人をターゲットにしたビジネスを展開する場合、WeChat広告は有効な手段になり得るでしょう。
日本ではSNSと決済サービスの連携はあまり浸透していません。SoftBankとLINEの連携によってこの流れは変わる可能性はありますが、QRコード決済のシェアはPayPay8.1パーセント、楽天Pay9.4パーセント、LINE Payは7.9パーセントとなっており、圧倒的というほど普及はしていませんよね。
WeChatにはWeChatPayがあり、多くの中国人が決済手段として利用しています。さらにミニプログラムという機能があり、別のアプリやサイトに遷移しなくともWeChat内で買い物も完結させられるという手軽さが大きなメリット。
ひとつのアプリで会話、決済が可能なため広告を出稿する際は出口が非常に重要。WeChatは「買い物するアプリ」ともいえるので、すぐに購買につながるような出口を作っておくことがコツといえそうです。
WeChat広告のターゲット
WeChatのユーザー比率は男性65パーセント、女性35パーセントでやや男性優勢。年齢別で見てみると35歳以下が85パーセントを占め、50代以上はわずか5パーセントに留まっています。しかし、ユーザー数は11億人以上と発表があるので、わずか5パーセントであっても5,500万人がターゲットになりえます。
このあたりをどう判断するかは運用担当者次第でしょう。
35歳以下の主に男性を狙ったプロモーションを行うのがもっともターゲットが多いので、効果が得られやすい、といえそうですね。
WeChat広告の見せ方
日本企業がWeChatに広告を出稿する場合、多くはインバウンド向けの施策が中心になるでしょう。その場合は、公式アカウント広告やモーメンツ広告を利用することになります。これらの広告は業種を問わず、さまざまな企業が出稿しています。
昨今の広告は多様化しており、手法なども出尽くしていますよね。WeChatも例外ではなく、数多くの広告に埋もれてしまい、広告の反応が悪くなりつつあります。
そこで中国ではKOL(中国版インフルエンサー)を用いたマーケティングも併用するのが一般的。中国人であるKOLに日本製品・サービスをPRしてもらうことで、中国のユーザーはより親近感を覚え、反応が良くなる傾向にあります。
KOLの活用に代表されるように、近年日本企業が中国でプロモーションを行う際は、中国人の視点を取り入れるようになってきています。代理店のなかにはKOLまでをパッケージングしたものを用意しているところもあるので、これらのポイントを参考に代理店選びをしてみてはいかがでしょうか?
WeChat広告の出稿手順
WeChatの手続きはすべてWebで完結するようになっています。そのため、広告の出稿もとても簡単。公式ホームページから申請すれば、簡単に出稿できてしまいます。
ただし、現在国外企業が広告を出稿することはできません。中国国内法人のアカウントでなければならないのです。
WeChat広告出稿時の注意点
現在日本の法人は中国国内向けWeChatである「Weixin」の公式アカウントは開設できません。台湾、香港、マカオを除く中国国内の法人に限定されています。中国人にリーチさせるためには、Weixinに広告を出稿しなければならないので、なんとかしてWeixinアカウントを開設する必要があります。
国外企業の場合は、中国国内法人に代理申請をしてもらう、という形をとるのが一般的です。その際、多少の手数料がかかってしまったり、所有権が自社にない、という問題も発生するので、信頼できる代理店を経由してアカウント開設をすることが望ましいです。
WeChat広告を出稿できる代理店
WeChatで広告を出稿する場合、中国のSNS広告を扱う代理店に依頼するのが一番。WeChatやWeiboなどに広告出稿したという実績のある代理店を選べば間違いないでしょう。
さまざまな代理店が候補に挙がるかと思いますが、単純に広告枠だけを売ったり、日本的なデザインを行ったりする代理店も存在します。中国の事情に詳しく、中国人に受け入れられるデザインや戦略を立てられる代理店を選ぶことがもっとも重要です。
Web広告、動画、KOLのピックアップなどを含め、多岐にわたってPR活動を行っている実績のある会社を選びましょう。
まとめ
中国でPRを行う場合、WeChat、Weibo、TikTokといった媒体に広告を出稿することになります。多くは代理店を利用することになるかと思いますが、代理店選びは慎重に。広告枠だけを販売している代理店も多く、それらに当たってしまうと狙った効果を得ることができません。
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