2018年9月にInstagramは国内月間アクティブアカウント数が2,900万を突破しました。国内でも人気SNSのInstagramは多くの企業が取り入れ、自社の製品・サービスのPRを行っています。
Instagramアカウントを上手に活用すると企業の商品・サービスの認知度を拡大できるほか、ブランディング、新規ファンの獲得などマーケティングに欠かせないものとなっています。
今回は小売業界のInstagramアカウント運用事例をご紹介いたします。
◯スーパー・コンビニ
スーパーやコンビニでもInstagramを積極的に活用しています。今回はそのなかでも「イオン」「セブンイレブン」「ローソン」「ミニストップ」の運用方法をご紹介いたします。
ハッシュタグの工夫で検索ヒットを増やす【イオン】
流通王手のイオンはInstagramを活用している企業アカウントのひとつ。料理の写真を投稿しており、明るい写真がずらりとフィードに並びます。
基本情報
- フォロワー数 … 4万人
- 投稿頻度 … 週3、4回
- 平均いいね!数 … 700前後
キャプション(文章)では、料理の説明をしっかりと記載しています。スーパーで売られている食材を使用することで、「こんな料理を作ることができる」というのをビジュアルで見せています。
レシピなどは特に記載がありませんが、晩ご飯を考えているときの参考になる投稿が多いのが特徴です。
また、イオンのアカウントは設定しているハッシュタグ数が多いというのが特徴。1投稿につき30個近いハッシュタグを設定しています。「#デリスタグラマー」「#食べスタグラム」という食べ歩きが好きな人が用いるようなハッシュタグのほか、料理名のハッシュタグなどもフル活用しています。
ハッシュタグをたくさん設定することで、入り口を増やすことができるので、料理に関係のある範囲でたくさんのハッシュタグを設定しているのでしょう。
人気料理レシピアプリとコラボした動画の投稿【セブンイレブン】
セブンイレブンは、人気レシピアプリ「DELISH KITCHEN」とコラボした投稿も行っています。本体の紹介の前に、まずはこちらをご紹介いたします。
基本情報
フォロワー数 … 34万3,000人
投稿頻度 … 月2回
平均再生数 … 70,000前後
セブンイレブンの製品を使い、簡単なアレンジレシピを「DELISH KITCHEN」とコラボし、動画で初回しています。キャプションではどのような食材を使用するのか? どのような味なのか? 何を使うのか? などを記載し、実際の調理工程を動画で見せているのが特徴です。
ハッシュタグは「#セブンミール」と自社をアピールするものを使用しているほか、「#ちょい手料理」という料理をUPしている人も多いハッシュタグを使用しています。
10個以上のハッシュタグをつけているので、こちらもイオン同様入り口を増やす目的で多くのハッシュタグをつけているのでしょう。
セブンイレブンに売られている食材を使用するだけで、美味しそうな料理ができあがるとあって、50,000回以上再生されている動画が多いのが特徴です。企業のブランディングもよいですが、何かができあがっていく工程を見せてあげるのは動画ならではの手法ではないでしょうか?
影響力の高いファンを見つけ、PRを共創【セブンイレブン】
セブンイレブンはInstagramを活用した効果的なプロモーションを多数仕掛けています。なかでも話題になったのは「セブンスイーツアンバサダー」。アンバサダーに選ばれたユーザーにセブンスイーツを投稿してもらう、という施策です。
基本情報
- フォロワー数 … 34万3,000人
- 投稿頻度 … 週3、4回
- 平均いいね!数 … 7,000前後
平均いいね!数が多いのが特徴といえるでしょう。さまざまなコラボなどを行っているセブンは発信する窓口が多くなるため、多くのリーチを得やすいといえます。そのため、フォロワー数の割にいいね数が多いのです。投稿は基本的に新製品の情報で、キャプションで新製品の情報・価格・味をPRしています。絵文字や顔文字を積極的に使用し、柔らかい印象を受けますね。
セブンイレブンのアカウント運用の特徴は、ユーザー巻き込み型ということ。「#セブンスイーツアンバサダー」に投稿された写真をリポストする形でオフィシャルアカウントに投稿しているほか、ユーザーをアンバサダーに認定。定期的にセブンイレブンの新作スイーツの投稿をユーザーに行わせることで、オフィシャルアカウント外にまで商品をアピールできています。
フォロー&いいね!キャンペーンで来店促進【ローソン】
実店舗とInstagramでコラボを積極的に行っているのがローソンです。フォローといいね!を行うと抽選でQUOカード1万円分が進呈される、というキャンペーンを行っています。
基本情報
- フォロワー数 … 39万4,000人
- 投稿頻度 … ほぼ毎日
- 平均いいね!数 … 8,000前後
かなり積極的に更新を行っているのが特徴で、最大手のセブンイレブンよりもフォロワー数、平均いいね!数を上回っています。
投稿は新商品や季節商品の紹介がメイン。ローソンの店員という設定のキャラクター「あきこ」が発信するというスタイルをとっています。キャプションではどんな商品が発売したのか、どんな味なのかを伝えています。
ハッシュタグは「#ローソン」「#LAWSON」を基本に投稿に合わせ選んでいる印象。あまり過度にハッシュタグはつけず、必要最低限のハッシュタグを設定しています。
ローソンはキャンペーンを定期的に開催することでフォロワーを離さない工夫を行っています。フォローといいねが条件という極めてシンプルな条件で開催しているので、毎回応募が多いのも特徴。過去に開催されたキャンペーンでは軒並み3万5,000以上のいいねがついています。
キャンペーンを定期的に開催することでいいねを獲得できますし、次の情報を得ようとフォローを解除させない、という工夫を行っていますね。
ハッシュタグ写真投稿キャンペーンで来店促進【ミニストップ】
ミニストップはハッシュタグキャンペーンを積極的に実施し、多くのファンを獲得しています。
基本情報
- フォロワー数 … 2万5,000人
- 投稿頻度 … 月1回
- 平均いいね!数 … 1,200前後
投稿は基本的にキャンペーン告知のみ。それ以外の投稿はあまりないのがもったいなく感じます。
ハッシュタグキャンペーンは毎月開催しており、指定のハッシュタグをつけて投稿した人のなかから抽選で10人に無料クーポンを進呈するというもの。投稿に添えられるキャプションは基本的にキャンペーンの参加方法を記載しています。
「#ハロハロ果実氷温州みかん2019」は実際に70件ほどの応募がありました。一般ユーザーが工夫を凝らした投稿を行っており、ミニストップをフォローしていない人への商品をPRできています。ハッシュタグキャンペーンは拡散力が期待できるので、行えるのなら積極的に行った方が良いでしょう。
◯ファッション・雑貨
続いてファッションや雑貨、家具などのジャンルでどのようなInstagram運用をしているのか見ていきましょう。今回ご紹介するのは、「ニトリ」「しまむら」「ABC-MART」「西松屋」の4アカウントです。
ハッシュタグ写真投稿キャンペーンでフォロワーと交流【ニトリ】
手頃な価格で人気のニトリは定期的にハッシュタグキャンペーンを実施。ハッシュタグキャンペーンを実施することで、自社製品の認知度を高めています。
基本情報
- フォロワー数 … 60万6,000人
- 投稿頻度 … 週2、3回
- 平均いいね!数 … 4,900前後
通常の投稿ではニトリの製品を使うことで生活がどのように豊かに、便利になるのかをPRしています。具体的なシーンを明示し、イメージしやすくしています。たとえば「家でゴロゴロしたくなる休日のおともに」というキャプションが添えられるなど、実生活をイメージさせる内容がメインです。
定期的にハッシュタグキャンペーンを実施しており、前回の「#nクール ペットベッドoeco」には1,842件もの応募が行われました。ハッシュタグキャンペーンは多くの人に応募してもらい、拡散してほしいという思いからついつい投稿をアバウトにしがちです。しかし、ニトリは投稿する商品やシーンなどを限定させることで、特定の人に響くキャンペーンとなっています。アバウトな条件だと投稿する人も迷ってしまいます。思い切って「これを投稿してほしい」と呼びかけるニトリのキャンペーンはとても参考になるでしょう。
人気キャラクターコラボ商品を小中高生に訴求【しまむら】
日本全国至る所にあるファッションセンターしまむらもInstagramを運用しています。
基本情報
- フォロワー数 … 33万1,000人
- 投稿頻度 … 週2回
- 平均いいね!数 … 1,200前後
しまむらのアカウントは実際に販売されている商品を紹介する運用を行っています。投稿されている写真は店で販売されている商品の紹介となっており、サイズ、価格と自社アプリの宣伝を行うなようとなっています。小中学生に人気のモデルを起用した小中学生向けのファッションが特に印象的で、撮影風景などを含め掲載しています。
しまむらの魅力は掘り出し物が見つかること。ハッシュタグ「#しまパト」を設定し、別サイトにまとめています。掘り出し物を見つけて自慢したい、というユーザー心理を上手に突いたハッシュタグ設定だといえるでしょう。
取扱ブランドの投稿をリグラム(リポスト)で定期更新【ABC-MART】
さまざまなブランドを取り扱うABC-MARTは、リポスト機能を積極的に活用することで運用を行っています。
基本情報
- フォロワー数 … 4万4,000人
- 投稿頻度 … 週4,5回
- 平均いいね!数 … 250前後
ホーキンスなどの自社取り扱いブランドの投稿はリポストし、情報更新の頻度を高めているのがABC-MARTの運用方法です。キャプションは絵文字をふんだんに使ったもので、どのような製品なのか、どんな人に向いているのかなど詳しく記載されています。
「#ABCMART」のハッシュタグをベースに、メーカー名やキャンペーン情報などをハッシュタグに設定しているのも特徴。ほとんど調べられることのないハッシュタグは設定する意味はあまりないのですが、文字の色が変わるため、目立つことは目立ちます。効果は不明ですが、実際に運用してみて効果がなければ外す、という形でもよいでしょう。
複数枚投稿でバリエーションやシーンを提案【西松屋】
子ども服を販売している西松屋は、バリエーション見せが特徴的なアカウント運用を行っています。
基本情報
- フォロワー数 … 10万3,000人
- 投稿頻度 … 週2回
- 平均いいね!数 … 1,300前後
子ども服の魅力といえばカラフルな彩色。さまざまな色が用意されていることが多いですよね。こうした子ども服ならではの特徴であるカラフルさを余すところなく見せているのが西松屋のアカウント運用の特徴です。キャプションは写真ごとに商品名、サイズ、色、価格などを詳しく説明。どんな商品なのかもしっかりと説明することで、店舗でも購入しやすくさせています。
ハッシュタグは「#西松屋」を中心に、子ども服に関するものがずらり。20個以上設定されている投稿もあり、たくさんの入り口を設けているのが特徴です。商品を捉えたハッシュタグばかりなので、入り口を増やす役割を果たしているでしょう。しっかりと撮影されたクオリティの高い写真が多いので、ハッシュタグ検索でも目にとまるはずです。
◯通販
最後に通販サイトではどのような運用を行っているのか見ていきましょう。
本業とは別「#おうち吉野家」でママ世代を囲い込み【吉野家】
本業のほかに通販事業も行っている「吉野家」の事例をご紹介します。
基本情報
- フォロワー数 … 5,600人
- 投稿頻度 … 週2回
- 平均いいね!数 … 400前後
吉野家が販売している商品を使用したアレンジ料理を多数掲載しています。どれも吉野家のイメージからかけ離れたものが多く、ベースが牛丼の具であってもそう感じさせないものばかりです。キャプションではどんな料理なのか、どんな調理を行ったのかが簡単に記載されています。詳細な説明ではないので、作り方まではよくわかりません。このあたりのフォローは別途発売されている本で行っている物もあるようです。
また、ハッシュタグキャンペーンを積極的に実施しているのも特徴です。フォローし、コメントするだけ、というハードルの低いキャンペーンで、認知度向上が狙いだといえますね。アカウント開始当初のフォロワーが少ない状態では、認知度を向上させ、フォロワーを増加させるのがとても大切です。こうしたキャンペーンは初期状態であるほど有効でしょう。
まとめ
流通、小売業界でも積極的にInstagramを活用中です。企業によってさまざまなInstagram戦略があるので、自社のInstagram戦略にマッチしているやり方は積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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