洗練された雰囲気を作るなら、主題と副題の素材を揃えたり、色をまとめたりするのがおすすめ。写真全体の印象を決めるのは実は「テイスト」です。テイストを写真のなかで揃えることで、見ている人の印象に残る写真を撮影できます。
例えばリネン類を撮影するときは、いろいろな色のリネンを複数写真に入れたり、レトロテイストな商品を撮影するときは背景小物にもレトロなテイストのものを入れると写真全体のイメージを整えられます。
今回は写真のテイストを揃え、はっきりとした印象を見ている人に伝えられるスタイリングのコツをご紹介いたします。
質感を揃え、すっきりと見せる
質感は表面の風合いのこと。画面の中で風合いを揃えてあげると写真全体の雰囲気を伝えることができます。例えばリネン類ならふわふわ、アスファルトならざらざら、ガラスならつるつる・テカテカなどメインとなる被写体に合わせて小物類のテイストも揃えてあげましょう。
被写体、小物、壁、下地といったすべてを同じ質感で揃えると写真全体がまとまり、洗練された雰囲気を演出可能です。いわゆる「空気感」を伝えたいときにはぜひ、質感を揃えていきましょう。
作例ではメインに合わせ、小物の質感を揃えています。たったそれだけのことですが、画面内にまとまりが出ていますよね。
質感を理解するには普段から質感を意識したモノの見方をしていなければなりません。直感的な要素が非常に多い部分なので、つるつる、ざらざら、さらさらといったモノの質感を見る訓練を積みましょう。例えばマグカップは「つるつる」しているものもあれば「ざらざら」しているものもありますよね。このようにつるつる、ざらざらなどどんなものが具体的にどんな質感なのかを意識することで写真撮影のときの小物選びが楽になります。
一般的にはつるつるしていれば洗練された印象に、ざらざらしていれば自然・素朴といった印象に受け止められます。また、同じざらざらであっても砂のざらざらなのか、やや滑らかなざらざらなのか、とグラデーションが存在します。細かな質感に気を配ると商品の雰囲気を正しく伝えられるようになるでしょう。
商品が持つ魅力を理解するのはもちろんですが、その魅力を伝えるための小物の質感にもこだわってみましょう。
テイストを揃えてブランディング
クラシック、ナチュラル、アンティーク、オリエンタル、和風、洋風、カジュアル、スタイリッシュ、モダンなど世の中にはたくさんの「テイスト」があります。写真撮影の現場ではこうしたテイストを組み合わせて撮影を行う場合もありますが、基本的にはテイストを揃えて撮影するのがおすすめ。テイストを揃えると写真にまとまりが出ますし、細かなニュアンスを伝えやすくなります。
作例ではアンティークな雰囲気を演出しています。コーヒーカップ・ソーサを見せるにあたり、このカップ・ソーサはどんな雰囲気なのかを考え、背景を決定。自然光の柔らかい光のなかで撮影を行っているので、「古い純喫茶で飲むコーヒー」がイメージできますよね。被写体と小物、背景のテイストを揃えることで、その場の空気感や具体的なシーンなども伝えられるのです。
テイストを判断するにあたって、それぞれのテイストの特徴を知っておくことが重要です。例えばクラシックテイストならデコラティブなデザインで曲線的、アンティークならシャビー加工のようにテイストそれぞれの特徴を覚えておきましょう。
これらは実際に見たものがどんなテイストなのかを意識しながら見ると次第に判断できるようになっていきます。
同じモダンテイストでも北欧モダン、イタリアンモダン、ミッドセンチュリーなどさまざまな種類があるので、常にテイストを意識して見るようにしましょう。
主役を引き立てる小物を揃える
被写体を引き立てる脇役の存在は重要です。被写体単体ではただのカタログ写真になってしまいますが、脇役を適切に配置すると、その場のシーンや空気感を切り取ったような写真になります。また、脇役で主役のテイストを伝えることもできるので、脇役選びは写真撮影の肝要ともいえるのです。
実際にテイストが合わない脇役を選んでしまったり、質感が異なる脇役を選んでしまったり、色が合わない脇役を選んでしまうと、なんだかちぐはぐな印象になってしまいます。脇役を選ぶときはここまででご紹介した、「質感」「テイスト」に特に注目して選びましょう。
また、その際は色も重要です。主役の色をベースに組み合わせを考えましょう。迷ったら同系色で主役より色が薄いものがオススメ。色の濃淡で主役を引き立たせれば写真全体に統一感が出ます。
脇役の小物は主役作りよりももしかすると時間がかかる作業。そのため、写真撮影するときはどうしても見せたくなってしまいます。しかし、脇役はあくまで脇役。チラ見せでボケている程度がちょうどいいのです。脇役はあくまで空気感を作り出す小物にすぎません。あまり目立たせすぎないよう、バランスに注意しながら配置しましょう。
主役の顔を探す
商品のなかにはどこの角度からでも撮影できるものが存在します。例えば花束はどこの角度から撮影しても「花束」だと認識できますよね。しかし、花束にも「顔」が存在するのです。商品の魅力を最大限伝えるにはこの「顔」を見つけ出さなければなりません。さまざまな角度から花束を見て、顔を探し出しましょう。
自分で作った花束なら顔がわかりやすいですが、他人が作った花束は顔を探すのも一苦労。そんなときは作った本人にどの角度から見るのが一番美しく見えるのか聞くのもおすすめです。「何を一番見せたいのか?」というポイントをきちんと収められるようにしましょう。
作例ではブルーの花がメインなので、ブルーが際立つよう撮影・現像を行っています。これ以上ブルーが右に寄っていても左に寄っていても違和感を覚えるでしょう。どんな商品にも「顔」が存在します。横から、上から、斜め上から、下からなどさまざまな角度で商品を観察して顔を探してみてください。
撮影テクニックはPDCAサイクルで
撮影テクニックはさまざまあり、法則もさまざまあります。スタイリングだけでなく、構図にもさまざまな法則・ポイントがあるものです。いずれも理屈だけ知っていては使いこなせません。
ここでご紹介したさまざまな手法を実際に取り入れ、撮影し、改善し、また計画しというサイクルを繰り返すことで身について行きます。どの手法も毎回自分なりに「完璧」に行えるよう、工夫を凝らして撮影を行っていきましょう。
経験豊富なフォトスタイリストであっても1枚の写真を撮影するのに半日〜1日程度の時間がかかるようです。SNSに投稿する写真にそこまで時間をかけられないかもしれませんが、たったひとつ狂うだけで写真の印象が大きく変わってしまいます。慎重に画面を見ながらスタイリングしてみてください。
まとめ
撮影の法則を知っておくことも重要ですが、自分が気に入った写真はどんな法則で成り立っているのか、美しい写真はどのような法則を使っているのかを探す訓練も重要です。常に写真をただ見るだけではなく、そこから何かを得ようとすると、一気に写真がうまくなります。
たった1枚で雰囲気を伝える写真をぜひ撮影してみてくださいね。
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