ライブコマースとは?中国でうまくいっているライブコマースの事例

ライブコマースという言葉をご存じですか? ライブコマースとはインフルエンサーやタレントなどがライブ動画を配信し、視聴者はリアルタイムに質問を送ったり、コメントを送ったりしながら商品を購入できる新しいeコマースの形です。
eコマースは日本語で言うと電子商取引のこと。インターネットなどのネットワークを介した情報発信を行い、契約や決済などを行う取引形態のことを指し、インターネットで行われる物の取引の総称です。

最近ではInstagramを主戦場するインフルエンサーが増加したり、さまざまなライブ配信サービスの環境が整ってきたことから、ライブコマースが注目され始めています。
ライブコマースは中国では数年前から始まっており、現在では2億人以上のユーザーがいる市場となっています。

国旗【中華人民共和国】

中国製のアプリやサービスなどが注目され始めているので、同様の仕組みを日本人も多く利用するようになるでしょう。今回はライブコマースについて詳しくご紹介していきます。

1.ライブコマースとは?

冒頭でも触れましたが、ライブコマースとはライブ配信を行いながら商取引を行うということ。ECサイトにライブ配信の動画をかけあわせたもの、というのがもっともイメージに近いでしょうか?
視聴者はライブ配信を見ながら商品を購入するという通販の新たな形のことです。配信者もショッピングサイトに誘導しながらライブ配信を行うという動きも見られており、テレビショッピングのWEB版のようなものがライブコマースです。

従来のテレビショッピングとの大きな違いは、テレビショッピングはメーカーや販売員の一方向的なアプローチだったのに対し、ライブコマースの場合は配信者とコミュニケーションをとりながら(コメントなど)商品を深く理解し、よく納得してから購入できるというが異なります。このほか生放送のテレビショッピングは多くありませんよね。生放送ならではの「ライブ感」「臨場感」をも持ち合わせているのです。

販売者(配信者)とコミュニケーションをとりながら商品を購入でき、生放送ならではの臨場感もあるハイブリッド的なeコマースの形だといえるでしょう。

数年前からじわじわと話題になり、最近特にライブコマースという言葉を耳にするようになりましたよね。一体なぜ急速にライブコマースという言葉を耳にするようになったのでしょうか?

その理由は大きく分けて3つ。

ひとつはライブ動画が非常に盛り上がっているということ。Instagram、Facebook、17Live、TikTokなどライブ配信が熱を帯びてきています。スマートフォンの普及とネットワーク環境が整ったことで、高画質な動画を手軽に撮影できるようになったことから、特に若者を中心にライブ配信が行われています。
芸能人が配信しているのはもちろん、素人も多数配信しており、素人のなかには芸能人よりも人気の人も多くいるのです。影響力も芸能人以上な場合もあり、企業としてはこれらの「素人」に商品の宣伝を依頼しています。

ふたつめの理由はライブ感が受けているから。録画されて配信される動画と異なり、ライブ配信はそのとき起こったことを共有することができます。その瞬間、その放送を見ていた人しか味わえない「臨場感」が受けているのです。コメントを残したり、プレゼントを贈ることで配信者に名前を呼んでもらえる、というのも引きつけられる理由のひとつでしょう。
通常のECサイトであれば商品を一方的に販売するだけでライブ感は感じられません。1秒先、1分先にどのようなことが起こるのか、どのような展開になるのかわからないライブ放送は、視聴者にわくわく感を与えています。

三つ目の理由は「海外ですでに流行っているから」。特に中国ではライブコマースはひとつの広告手法として受け入れられており、実際に効果があったことからライブコマース市場は急速に拡大しました。動画配信によって素人や企業が金銭を得る「マネタイズ」の動きも活発で、ライブコマースだけで生計を立てられる人も増えてきています。

2.中国のライブコマース市場

では、中国におけるライブコマースの市場規模はどのくらいなのでしょうか?

中国は動画のライブ配信プラットフォームが多数あります。プラットフォームによって使用用途や得意分野が異なり、ゲーム、娯楽、ニュース、ソーシャルなど幅広い分野があるのです。ライブ配信だけに特化したプラットフォームやSNSの付帯機能としてライブ配信が備わっているものまで本当に幅広いのです。

なかでもライブコマースに限定すると、淘宝(タオバオ)に特に注目が集まっています。タオバオはアリババグループが出資して作ったECサイトがベース。タオバオのソーシャルバイヤーは注目を浴びているのです。

淘宝网(淘寶網)
【淘宝(タオバオ)】公式サイトより

タオバオのライブ配信は急速に拡大していて、2019年3月末に開催された淘宝直播盛典(タオバオライブ配信祭典)では売り上げ億元超えの配信部屋を200部屋、売り上げ千万元超えの配信部屋を5,000部屋、そして1,000人のライブスターを育成する計画を発表しました。タオバオのライブ配信はすでに1,000億元規模のマーケット。1日6万件を超えるライブ配信が行われており、年間取引額が1億元を超えた配信者が2018年の時点で81人も生まれたそうです。1元は15.6円ほどなので、1億元=15億6千万円も稼ぐ人がゴロゴロいるのです。

このように中国ではライブコマースが広く市民に受け入れられています。これだけのお金が動いていますから、実際にライブ配信を見ながら商品を購入する人も多いのです。
日本においても近年急速にライブ配信が広まってきており、プラットフォームも増えてきているので、ライブコマースが広告の主役になる日もそう遠くはないでしょう。

マクロミルが15歳から49歳の男女2万人を対象に「ライブコマース利用実態調査」を行いました。その結果、日本においてライブコマースの認知率は30%ほどとなりましたが、10代では40.0%、20代36.7%、30代29.9%、40代21.5%となっており、若年層ほど認知度が高いことがわかります。
ライブコマースを認知している人のうち、実際にライブ配信を視聴したことがある人は41.1%で、視聴した上で商品を購入したことがある人は14.0%にも上るそう。
購入理由としては「出品者が紹介する商品を買いたい」といったファンもいれば、「商品の詳細をリアルタイムで質問できるから」「店員と話す感覚で買い物ができる」といったものが挙げられており、インターネット上のショッピングでありながらも、実店舗で買い物しているような気持ちになれる点が受けているのだと考えられます。

次の項ではより詳しくライブコマースのメリットを見ていきましょう。

3.ライブコマースのメリット

ライブコマースのポイントや市場規模などをお伝えしてきました。ここからはライブコマースを利用するメリットについて詳しく見ていきましょう。

ライブコマースのメリットは大きく分けて5つ。

  • コミュニケーションを取りながら購入可能
  • 伝達範囲が広い
  • マーケティングが行いやすい
  • モバイル端末で利用しやすい
  • 費用対効果が高い

ライブコマースでもっとも大きなメリットはコミュニケーションがとれること。先ほどご紹介したマクロミルの調査によると、購入した物のなかでもっとも多いのは服。実物を手に取って素材感やサイズ感をたしかめてから購入したいものですが、疑問を質問者にぶつけることができるので、安心して購入できるそう。
興味を持った商品は遠慮忌憚なく販売者にすぐ質問し、すぐに返答が返ってくるので、一般的なECサイトと比べ購入ハードルが下がるのだと考えられます。双方向のやりとりができるライブ配信ならではのメリットですよね。

伝達範囲は全世界です。配信者のライブ配信は世界中の人が閲覧可能です。言語の問題はありますが、世界中の人が購入したい! と思えばすぐに購入できるのです。さらにライブ配信を見ている人の属性がわかりやすいので、特定の人に向けた商品の販売を行いやすい、という特徴もあります。ライブ配信の場合、基本的には興味がある人しか見に来ません。そのため商品のコンバージョンが簡単になります。さらにスマートフォンで閲覧できるため、いつでもどこでも配信可能で、いつでもどこでも閲覧可能なのです。電車の待ち時間で、ちょっとした空き時間で、とわずかな時間でも配信・閲覧ができ、暇な時間はライブ配信を見るという人も少なくありません。

このようにライブコマースにはさまざまなメリットがあります。中国でここまで流行ったのは海賊版の影響もあるでしょう。どれが本物なのかわからないからこそ、顔の見える信用できる相手から買いたい、というのはあるのではないでしょうか?

4.中国のライブコマースサービスを活用した成功事例

それではここからは実際に中国のプラットフォームを活用し、ライブコマースが成功した事例をいくつか見ていきましょう。

中国では先ほどご紹介したタオバオのほかにも虎牙直播、花椒直播、熊猫直播などがあります。ここからはこれらのプラットフォームを利用して成功した事例をご紹介していきます。

4-1.中国KOLのライブコマース成功事例

2016年、1億3000万人のユーザーを抱え、若年女性向けファッションを中心に扱うECモール「蘑菇街(モグジェ)」はネットの生放送を活用したネット通販事業を開始すると発表しました。
オープン日、日本のブロガーを意味するKOLのサイトでユニークアクセスが通常の10倍、売り上げは67.3%もアップしました。
KOLは日本のプロブロガーと同様に、商品紹介によるアフィリエイト報酬をもらうビジネス形態の人のこと。オープン日にKOLが自身のファッションコーディネートやポイントを配信したところ、1時間で20万「いいね」を獲得し、売り上げもかなりの数字を上げたそう。

蘑菇街
【蘑菇街(モグジェ)】より

またタオバオのライブコマース「淘宝直播」のランキング常連である烈儿宝贝さんは、コスメや生活雑貨、ファッションなどのライブ配信を行っています。モデルとして10年以上のキャリアがあり、いつもタオバオのランキング上位に君臨し続けています。
過去最高ライブ同士視聴者数は520万人で、1日平均90万人と圧倒的な視聴者数を誇るのが特徴です。
520万人という人数は中国ならではといえますよね。

同じくタオバオのライブコマースランキング1位は薇娅viyaさん。こちらもファッションや生活雑貨を紹介するライブ配信を行っています。独身の日と言われる11月11日に行われたアリババのEコマースセール・キャンペーン期間では1日に3.3億ドルも販売したのだとか。日本円にすると400億円前後も1日で販売するというのだから驚きです。

中国におけるライブコマースの影響力はすさまじいということがおわかりいただけるかとおもいます。

4-2.日本企業のライブコマース成功事例

では日本企業が中国でライブコマースを活用して成功した事例はあるのでしょうか?

化粧品を販売するドクターシーラボは、アリババが運営する仮想モール「天猫」上で実施したライブコマースで同社が展開する化粧品が美容カテゴリ商材で過去最高の売上額となったと発表しました。
実際に中国で人気のレポーターらを東京・恵比寿のドクターシーラボ本社に招き、視聴者とやりとりをしながら売れ筋商品7品を紹介するライブ配信を行いました。
その結果、配信のインプレッションは3万を超え、天猫のドクターシーラボのStoreには480万人が来訪し、10分で在庫切れ商品が発生する事態に。
日本にいながらも中国のシステムを上手に活用すると、莫大な売り上げを手にすることができるのですね。

このほか、お菓子などを販売するカルビーも毎年11月11日にアリババで行われる独身の日に35万人の来店があり、14万人もの人が購入したそう。販売額は同日だけで1,800万元(3億1,000万円前後)に上りました。
売れ筋の商品はフルグラで1,400万元。フルグラが大半を占める結果となりました。

日本の食品も中国では販売のチャンスがまだまだありそうです。

まとめ

勢いのある中国で、勢いのある販売方法ライブコマース。中国のインフルエンサーが紹介するだけで爆発的な売り上げになることも少なくありません。日本の販売だけでなく、中国での販路拡大を考えている場合、中国での宣伝の筆頭に上がるのがライブコマースでしょう。

仕組みをしっかりと理解し、上手に活用すると売り上げを伸ばす可能性は大いにあります。


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