SNSでは投稿内容の是非を巡って批判が集中する事態となる、いわゆる「炎上」が定期的に発生しています。個人アカウントによる不適切な投稿が炎上状態になるのはもちろん、企業アカウントにおいても投稿の炎上がきっかけとなり不買運動にまでつながってしまうなど、大ダメージを受けてしまうものです。
こうした炎上はtwitterが多く、Instagramは炎上しにくいSNSだと言われています。とはいえ、過去には芸能人や企業のアカウントにおいて、写真、説明文、コメントなどさまざま要因で炎上してしまったこともあります。
言いがかりをつけられて炎上してしまうのは仕方ありません。しかし、自社や店舗の投稿内容やプロモーション手法やが悪く、炎上してしまうのは困ったものです。社内で投稿のマニュアル化をするなど、炎上しない工夫が求められます。マニュアルなどを作成するにあたり、炎上した先行事例を学んでおく必要がありますよね。
そこで今回は過去に炎上した企業や店舗、ブランドのアカウントによる炎上内容とその理由について詳しくご紹介していきます。
1.企業アカウントでの不適切発言で炎上[ドルチェ&ガッバーナ]
現在は投稿が削除されていますが、中国でドルチェ&ガッバーナ(D&G)は大炎上しました。騒動の発端はドルチェ&ガッバーナが中国版twitter「微博(ウェイボー)」やInstagramに投稿した動画の表現に問題があったためです。この投稿は「我々の文化や中国人女性を侮辱している」と中国人の怒りを買い、謝罪の掲載に追い込まれました。
炎上したのは、中国・上海で2018年11月21日に開催予定だったイベント「The Great Show」に向け、ドルチェ&ガッバーナが実施した広告キャンペーン「#DCLoversChina」の一貫で制作された動画です。中国人モデルがピザやパスタなどのイタリアンを箸で食べる、という内容。ハッシュタグにはこのほか「D&Gは中国人を愛している」というメッセージが込められていましたが、箸を左右別々の手で持っていたり、ピザに箸を突き刺して食べていたりと中国の食文化や礼儀から逸脱した内容が含まれていたため炎上しました。
中国の文化をしっかりと理解せず制作されたこの動画は批判が相次ぎ、投稿から24時間経過しないうちに削除されました。しかし、騒動はこれで収まりませんでした。ドルチェ&ガッバーナのデザイナー「ステファノ・ガッパーナ氏」が中国人を侮辱する暴言を吐いたDM(ダイレクトメール上)がさらされ、さらに燃え広がったのです。ドルチェ&ガッバーナは同氏のアカウントを何者かがハッキングし書き込んだもので、同氏は関与していないとInstagramに声明を出しましたが、反発が収まることはありませんでした。
企業オフィシャルのアカウントはもちろん、企業の看板で個人アカウントを開設している従業員に対しても、しっかりとした炎上対策の心得を伝えておく必要があるでしょう。
2.企業アカウントでの不適切発言で炎上[べラミ(Bellami)]
ついうっかり投稿した一言が大炎上するケースも少なくありません。
カイリー・ジェンナーの親友、ジョーディン・ウッズの「出直しヘア」を嘲笑したヘアブランドが大炎上し、謝罪を強いられました。そもそも、カイリー・ジェンナーの親友で、義父姉のクロエ・カーダシアンの長女、トゥルーの父親であるNBA選手トリスタン・トンプソンと不貞行為に及んだことで世間を騒がせたモデルのジョーディン・ウッズ。騒動勃発後、テレビで自分の言い分を真摯に語るなど、ジョーディンへの風当たりは少しずつ和らいできていました。
そんなジョーディンは、それまで長かった髪をバッサリと切り、イメチェン。これが「出直しヘア」だと話題を呼びました。
騒動後、Instagramの更新はストップしており、騒動後はじめて投稿されたのがこの「出直しヘア」でした。しかし、悪質なジョークとして「出直しヘア」を引用し、嘲笑したブランドがありました。それがセレブにも愛用者が多いヘアエクステブランドの「Bellami(ベラミ)」です。同社は公式Instagramでネット上にアップされていたあるインターネット・ミーム(インターネット上で流行している画像やネタ、言葉などの総称)を紹介しました。
このことが大炎上。ベラミは投稿をすぐに削除しましたが批判の声は高まり続け、Instagramで公開謝罪を行ったのです。
インターネットは日々流行が変化していっています。上手に流行に乗ると「あの企業がこんなことを!」と話題になることがありますが、話題の乗り方を間違うと、公開謝罪に追い込まれる自体になりかねないので、注意深い運用が必要ですね。
3.いたずら・悪ふざけと取られる投稿[ソフトバンク「お父さん犬」]
ソフトバンクがイメージとして用いている白い北海道犬、通称「お父さん犬」もプロモーションを誤り、炎上したことがあります。
2018年11月11日、お笑いコンビ「野性爆弾」のくっきーさんとコラボした写真を次々と公開したInstagramアカウントは困惑する人が急増しました。普段の投稿はほんわかとした可愛らしい投稿で、その愛らしさを見ようとフォローしている人も多かったのですが、この日の投稿はどこか雰囲気が異なっていました。くっきーさんが展開する独特の世界観が広がるポストで埋め尽くされたのです。(※現在は投稿削除済み)
刺激的な写真が数多く投稿されたため、見た人の間でいたずら、悪ふざけ、乗っ取りととられ、賛否両論が巻き起こりました。
くっきーさんの悪ふざけが過ぎると取られる投稿が相次いだ結果、「ほのぼのしたのが見たい」「もうフォローはやめる」「いつまでこれが続くの?」という不快感をあらわにしたコメントが多数つけられました。その後、同アカウントでは「お父さん」とくっきーさんが謝罪を行うにまで至りました。
もちろん、「こういう投稿もアリ」「不気味なテイストですが、私は好き」というコメントも見受けられましたが、あまりのテイストの変化に不快に感じたユーザーが多かったようです。
4.いたずら・悪ふざけと取られる投稿[アルビレックス新潟]
Jリーグのサッカーチーム「アルビレックス新潟」のInstagramも炎上したアカウントのひとつです。同アカウントでは犬嫌いの選手に犬をけしかけ、逃げる様子を撮影した動画を投稿しました。(※現在は投稿削除済み)
この投稿を視聴した人たちから「ハラスメントだ」という声が相次ぎ、アルビレックス新潟は公式サイトで謝罪に追い込まれました。
体育会系のノリではよくあることのように感じますが、こうした「ノリ」を嫌悪する人が多いのも事実。本人たちは軽い遊びのつもりでも、見る人が見ると不快に感じるケースも多いでしょう。個人の投稿ではなく、チームオフィシャルのアカウントで投稿したというのはいただけないポイントだといえますね。
5.ユーザーの誤解を招く広告投稿[サントリーチューハイ「ほろよい」]
誰かを揶揄したり、貶めたりすることだけが炎上する要因ではありません。いわゆるステルスマーケティングも近年では炎上する理由のひとつです。沢尻エリカさんが2015年12月1日から開始したInstagramも炎上しています。当初は部屋着でくつろぐ写真が注目を集め、初回の投稿には1,300以上のコメントが付き、わずか2日で18万人以上がフォローする人気アカウントとなりました。
それまで沢尻エリカさんは公式ホームページのみで、SNSを行ってはいませんでした。そんな沢尻さんのプライベートショットが見られるとあって、男女ともに多くのファンが注目したのです。当時笑顔のイメージがあまりなかった沢尻さんがカメラ目線で微笑む姿を多くのユーザーが楽しみにしていました。(※現在はアカウント削除済み)
しかし、このアカウント。
実はサントリーのチューハイ「ほろよい」のプロモーションアカウントだったのです。同月からInstagramに投稿する写真を撮影している様子のテレビCMも放送され、ユーザがプライベートショットだと思っていた写真はすべてプロモーション用の写真だったことが明らかになりました。
企業の宣伝だと明らかにせず、広告を行ったことで大きく信頼を失い、フォロワー数の伸びやコメント数がどんどんどん化していきました。あらかじめ宣伝だと伝えた上で、オフショットなどを掲載していれば、また違ったかも知れませんね。
6.ユーザーの誤解を招く広告投稿[マクドナルド]
海外と日本では炎上理由が異なるので、一概には参考にできません。
しかし、海外での事例は文化の違いなどを理解せずに投稿したことで炎上することが多いので、これから海外に展開していきたい企業にとって、大変参考になるでしょう。
アメリカ・カルフォルニアで2019年4月21日まで開催されていた音楽フェス「コーチェラ」の会場で、マクドナルドのLサイズポテトを頬張るモデルのジジ・ハディッドさんが集中砲火を浴びました。この投稿はタイアップ広告となっており、投稿した際にはアイコンの下にはきちんと「マクドナルドとのタイアップ投稿」の文字が入っていました。そのためステルスマーケティングではありません。
では一体、なぜ炎上してしまったのでしょうか?
その理由はアメリカでのマクドナルドの立ち位置にありました。コメントを抜粋すると「アメリカでの肥満率を上げ、人々の健康を害する食べ物を売り込むつもりなのか」「影響力のあるモデルがこんなことをするなんて」という投稿が目立ちます。アメリカにおいてマクドナルドは「不健康食」「低賃金労働(ブラック企業)」の代名詞的存在。近年は改善しつつありますが、いまだ国民のなかには根強いイメージがあるようです。こうした理由から、仕事を受けたジジ・ハディッドさんが炎上したのです。
これまでは企業などのオフィシャルアカウントの炎上でしたが、広告依頼を受けた人まで炎上してしまうのは、ファン(フォロアー)を多く持つInstagramアカウントならではの悩みといえます。
7.第三者に見せかけた投稿で騙す広告投稿[いろはに青汁]
日本においてステマ(=ステルスマーケティング)での炎上は減少してきました。その理由は過去にさまざまな炎上騒動があったからです。そのなかのひとつ、メディア運営会社「フライ」が自社運営サイトの宣伝に第三者に見せかけたInstagramアカウントを活用していた件をご紹介します。
Instagramアカウント「ダイエット中!29歳二児の母(@hk9060_diet)」は同社職員によって運営していることを伏せ、半年間で約10キロのダイエットに成功したことや、成功するためにやったことなどを紹介していました。具体的な商品名などは出していませんでしたが、同社が運営するサイト「いろはに青汁」のランキング上位の商品を飲んでいることを紹介。無機質な運営ではなく、生活感が感じられる写真や質問やコメントなどに丁寧に答える姿勢から2万3,000人以上のフォロワーを獲得していました。(※現在はアカウント削除済み)
同アカウントを運営していた同社職員がtwitterの鍵垢(承認された人しか見られないアカウント)で、ダイエット成功に見せかけるため暴飲暴食を繰り返したことや、Instagram運用のぐちなどをつづっていたことで問題が明るみに。自作自演はステマに該当するのではないか? と炎上したのです。
同社は後に謝罪し、運営サイトも閉鎖しました。
実際に青汁に効果があるのかは不明ですが、効果があるよう見せかけたことが問題となりました。
8.正しく行われたプロモーションでもステマと取られ炎上[DHC]
インフルエンサーを活用したプロモーションは、美容系商品を販売するのに今や欠かせないもの。ファッション、コスメはInstagramやtwitterを中心に、ひとりあたり数十万円~数百万円で依頼をしています。業界内のルールとして、通常の投稿なのかPR投稿なのかを明記することが求められていて、インフルエンサーに依頼した際には必ず「○○(企業名)からいただきました」といった一言や、ハッシュタグ「#PR」をつけるのがルールです。
ステルスマーケティングでの炎上騒動はたびたび起こっているため、これらを避けるためにもこうしたルールが設けられています。
化粧品やサプリメントを販売する「DHC」はルールを守っていたのにもかかわらず炎上してしまった例です。美容系商品の投稿を行う個人アカウントが一斉に商品をDHC紹介し始めたことから、「信用なりません」「えぐい」「引いた」「あからさますぎ」というコメントが多数寄せられました。美容系アカウントは企業の広告などに染まらず、その人が本当に良いと思っているものを紹介しているケースが多かったため、突然かれらが企業PRを行ったことで信頼を失ったのでしょう。
怒りはアカウントを運営している人にではなく、企業に向かい、「#PR」と書かれているのにもかかわらず、インターネットリテラシーの低い人達は「ステマだ」といい、炎上してしまったのです。企業がルールを守ってプロモーションしていても、依頼する先がアンマッチだと炎上する恐れがあります。
9.投稿タイミングが不適切で炎上[Le ment]
SNSの運営をする上で、いつ投稿するかも意識しなければなりません。投稿するタイミングによっては炎上してしまう恐れもあるのです。
モデルの山田優さんのInstagramも投稿タイミングを誤り炎上したアカウントのひとつです。2018年西日本で猛威を奮った大雨により、甚大な被害が発生している最中に、自身がイメージキャラクターを勤めるブランドの日焼け止めスプレーの宣伝を行いました。
投稿には「状況を考えてほしい」「今投稿することではない」「大勢の人が亡くなっている」というコメントが寄せられました。次の日のの投稿で山田さんは「私は応援してくれる方へ掲載したいので、見たくない方は見ないで下さい。フォローも外して下さい。」と投稿。これが火に油を注ぎ、さらなる炎上に繋がりました。コメントを投稿している人のなかにはただ炎上させたい、面白半分で投稿している人もいます。しかし、投稿するタイミングを誤ると、商品自体の不買運動にまでつながる恐れがあるので注意が必要です。
10.インスタ映えを狙った「インスタずれ」で炎上[ピンキーダック]
2018年4月、栃木県りんどう湖レイクビューに現れた巨大なピンクのあひる「ピンキーダック」は「インスタ映え」を狙い、炎上してしまいました。高さ20メートルの巨大なアヒルはNHKにも取り上げられるなど大きな話題を呼びました。しかし、その一方で「オランダの芸術家『フォロレンティン・ホフマン』が制作したラバーダックのパクリでは?」と指摘され、疑惑が渦巻く結果になったのです。
2017年の流行語にもなった「インスタ映え」も狙いすぎると興ざめし、「インスタずれ」だと指摘する人もたくさんいます。多くの人に興味を持ってもらおうと、ほかよりも大きなモノを作ったり、派手なものを作ることで話題を集めることはできるでしょう。しかし、「目立てば勝ち」というわけではなく、現代人は情報を整理する「スルー力」も兼ね備えています。ただ目立つだけでは「今度でいいや」となるのです。
まとめ
Instagramの流行から、企業は各社とも似たようなプロモーションを展開しています。しかし、似ているだけでは印象が薄れるだけでなく、模倣は感動を呼びません。また、模倣品はユーザにすぐオリジナルを探されてしまいます。だからこそ、模倣することなく、しっかりと考え抜かれたプロモーションを展開していく必要があるといえるでしょう。
企業がSNSに取り組むならまずは炎上リスクの低いInstagramがおすすめ
事実として、Instagramは他のSNSと比較して炎上しにくい特徴があります。ある特定の投稿を他のユーザーがリツイートやシェアなどによって拡散する機能が存在しないということ、テキストではなく画像を中心としたSNSであることなどがその特徴としてあげられます。
そのため、SNSを使ったマーケティングをご検討されている企業様にとっては、Instagramはまず最初の一歩としてリスクが少なく、且つビジュアルによってブランドイメージを訴求できる効果的なSNSといえます。
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