Amazon、楽天市場をはじめとしたECショップは企業の所在地にあまりとらわれず、全国に向けて商品を販売できることから利用している企業も多いのではないでしょうか? インターネットを介した商品の販売は、2017年には16兆5,054億円に達し、前年の2016年から9.1%の成長をみせ、EC化率は5.79%に達しました。市場規模は年々拡大しており、2010年には7億7,880万円(EC化率2.84%)だったことを考えると成長著しいといるでしょう(データはすべて経済産業省商務情報政策局情報経済課:平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)。
なかでもスマートフォン経由の市場規模は拡大しており、BtoCの市場規模8兆6,008億円に対し、スマートフォン経由は3兆90億円にものぼり、その比率は35.0%に達しています。2015年には1兆9,862億円(27.4%)だったので、直近3年間でもスマートフォン経由のECは大きく拡大しているといえるでしょう。スマートフォン経由でのECはさまざまな手段があります。最近では個人でもネットショップを開設できるサービスもあり、誰もがインターネットショップを開設できる状況です。より競争が激化してきているといえるでしょう。
Instagramは2018年6月から日本でもショッピング機能を導入しました。フィードから直接商品を購入できる機能で、魅せる工夫をすればInstagram上からも商品を販売できるようになりました。上手に活用すれば、大きなコストをかけなくとも宣伝できるため、今注目が集まっています。
今回の記事ではECサイトがInstagramを利用するメリットとともに、実際にInstagramを活用し成功しているECサイトの事例、ショッピング機能の導入方法を見ていきましょう。
1.ECサイトがInstagramのショッピング機能を利用するメリット
ECサイトがInstagramを活用すべき理由は大きく分けて3つあります。ひとつめはSNSの影響を受け、商品を購入したことがある、という人が増えていること。ふたつめは実利用を想起させることで、認知度拡大・販売促進につなげることができます。そして3つ目はInstagram上からそのまま商品を購入させられる点です。
ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。
SNSの影響を受けて商品を買う人が多い
株式会社マクロミルによる「ミレニアル世代のお金に関する調査」が行われました。ミレニアル世代は1980年代から2000年代初頭に生まれた若者を指す言葉で、インターネットが当たり前の時代に育ち、子どもの頃からソーシャルメディアやスマートフォンに触れ、情報リテラリーに優れているとされる世代です。ミレニアル世代以前とは異なる価値観を持つと言われており、どのような購買傾向や消費傾向があるのか、貯金などのお金の事情はどのような特徴があるのか、各社様々な調査を行っています。
この調査の中で興味深い項目があります。「買い物時、SNSの情報にどのくらい影響を受けるか」「買い物時、最も強く影響を受けていると感じるSNS」の2項目です。1,000人を対象に実施した調査では「買い物時、SNSの情報にどのくらい影響を受けるか」という質問に対し、15歳~24歳のグループ(n=330)で「かなり影響を受ける」「まあまあ影響を受ける」の合計が63.9%という結果に。25歳~38歳のグループ(n=340)では同合計が50.9%、39歳~53歳(n=330)では26.1%という結果になりました。38歳未満を対象とするのであれば、SNSでのプロモーションは効果的だと言えるでしょう。
「買い物時、最も強く影響を受けていると感じるSNS」という質問に対し、15歳~24歳のグループ(n=330)はtwitter(44.8%)、Instagram(44.3%)の順で多い結果となりました。25歳~38歳のグループ(n=340)ではInstagram(55.5%)、twitter(18.5%)とInstagramが最も支持されています。39歳~53歳(n=330)においてもInstagram(29.1%)、twitter(23.3%)とInstagramが最も支持されています。
こうした調査からも分かる通り、SNSでの商品購入を促す際、Instagramは効果的なSNSだということがわかります。
実利用を想起させ、認知度拡大・販売促進
twitterとInstagramの大きな違いは、写真や動画がメインのコンテンツだということ。見てくれた人に視覚的に訴えられるので、文章だけでは伝わらない商品の魅力をPRできます。
ファッション業界ではInstagramを大活用中で、洋服の写真だけでなく、自社のアイテムをコーディネートに取り入れ、モデルが衣服を着用した写真を多数掲載しています。服だけの掲載では着用イメージが湧かなかったり、着たイメージが湧きにくいものです。しかし、実際に人が着用し、動きのある写真を掲載することでよりイメージが膨らみ、販売促進につながっているのです。この手法はほかの販売商品でも適用可能で、子ども用おもちゃであれば遊んでいる様子などを動画などで伝えられれば販売につながるでしょう。
また、Instagram上で話題となる商品をPRできれば、口コミなどで広がり、より販促につながることでしょう。その場合は費用をかけずに、より多くの人に宣伝できるので、コストを大幅に削減できます。
Instagram上からそのまま商品購入可能
Instagramは写真や動画を掲載するソーシャルメディアですが、2018年6月からは投稿(=ポスト)からそのまま商品を購入できるようになりました。Instagramのショッピング機能はInstagramに投稿した写真や動画、ストーリーズに自社ECサイトサイトの商品タグを設定可能です。ショッピングタグをクリックすると商品の詳細情報を見ることができ、自社ECサイトに誘導できます。
ショッピング機能が実装される前までは、Instagram上で気に入った商品を見つけた場合、商品の情報を探し、商品名を検索し、ネットショップを見つけ、商品ページを閲覧し、商品を購入する、というステップが必要で、機会損失が多かったのです。しかし、ショッピング機能実装後は気に入った商品をInstagram上で見つけたら、すぐに購入できるようになりました。
ショッピング機能導入はInstagram側の審査が必要です。しかし、機会損失の少ない便利な機能なので、ECサイトを運営しているのならすぐにでも導入したい機能ですよね。どのように導入するのかはこの記事の最後にご紹介させていただきます。
2.Instagramを活用しているECサイトの成功事例
2-1.ファッション:ユニクロ
アパレルのトップクラス企業となったユニクロは、「安く・質の悪いもの」ではなく、低価格・高品質な商品を多数販売しています。老若男女誰が着用しても違和感がないデザイン性も兼ね備えており、定番ファッションアイテムを揃えられる魅力ある服がたくさんあるのです。
ユニクロはInstagramを上手に活用し、販売促進につなげています。Instagramはファッション業界と親和性が高いため、ユニクロは積極的に活用中。具体的には「ブランドのイメージ向上」と「潜在ニーズを掘り起こし、購買意欲を高める」という使い方をしています。
安価・低品質というイメージのあるユニクロですが、自社商品を魅力的に見せる写真を数多く掲載し、安く・高品質・センスの良いデザインというブランドイメージを作り上げているのです。
また、投稿にはユニクロ以外のハッシュダグもつけてます。例えば都市名の「#tokyo」などもそのひとつ。「#tokyo」というハッシュタグでユニクロの投稿を見た人を引き止め、ユニクロの服がほしい! と思わせるような投稿を多数行っています。無関係なタグから飛んできた人を引き止めることで、潜在ニーズを掘り起こし、購買意欲へとつなげているのです。
実際にポストのいくつかにはショッピング機能を搭載し、モデルが美しく着こなす服をすぐに購入させることに成功しています。
2-2.日用雑貨:無印良品
西武百貨店系列の無印良品は2015年からInstagramアカウントを開設しています。無印良品のInstagramでは1日に1回程度、ブランドイメージである「ミニマル」を追求した写真を投稿しています。ブランドイメージを向上させたり、フォロワーのコメントを受けて投稿した写真など幅広くファンを獲得する工夫を施しています。人気なのは商品の特長を動画で伝えるシリーズです。無印良品の製品の由来や使い方を動画で丁寧に開設しています。写真で伝えるよりも動画できちんと伝えることで、より見ている人の印象に残すことができます。
無印良品ももちろんショッピング機能を搭載。衣服や家具、家電など暮らしをイメージした写真から直接購入できます。
2-3.輸入食品:カルディコーヒーファーム
スーパーなどではなかなか手に入らない輸入食品を販売するカルディもInstagramを上手に活用し、商品販売につなげている企業のひとつです。オリジナルブレンドのコーヒーをはじめ、常時30種類以上のコーヒー豆を揃える「カルディ コーヒーファーム」は全国に350点以上を構え、ECサイトも設けています。
カルディのInstagramでは自社製品の盛り付け例などを紹介しています。商品によっては盛り付け例とともに、すぐに購入できるショッピング機能を備えているので、「美味しそう!」「食べてみたい!」と思ったら、すぐに購入できるようになっています。
2-4.化粧品:ちふれ
50年以上続くちふれは、今も昔も愛され続けている化粧品ブランドです。高品質な化粧品を低価格で手に入れられることから、年代を問わず愛されているのです。
ちふれのInstagramでは商品の紹介はもちろん、実際に使用した動画などを掲載。マニキュアは実際に爪に塗って、どのようなイメージになるのかも紹介しています。こちらももちろん、ショッピング機能搭載。「この爪かわいい」「このマスカラがほしい!」と思ったらすぐに購入することが可能です。
2-5.ハンドメイド雑貨:minne(ミンネ)
ハンドメイドアイテムを誰でも簡単に販売・展示・購入できるマーケット「minne」もInstagramを上手に活用しているECサイトのひとつです。16万3000人以上のフォロワーがおり、作家たちの作品を紹介しています。
ハンドメイドの個性的な商品がずらりと並び、柔らかい印象で撮影された写真と文章が特徴的で、見た目、質、思いに共感した人へ購入を促しています。
2-6.ライフスタイル雑貨:キナリノ
「暮らしを素敵に丁寧に。」がコンセプトのファッション雑貨などの情報を紹介するライフスタイルメディア「キナリノ」はInstagramを2015年8月にスタート。1日に5件ほど投稿し、自社サイトの記事紹介やレシピ動画、自社ECサイトの販促などに結びつけています。
3.ショッピング機能(Shop Now)導入する方法
さまざまなECサイトで続々ショッピング機能(Shop Now)を導入し始めています。それぞれ自社のブランディングと共に、共感してくれたり、これがほしい、オシャレだと感じた人がすぐ購入できる環境を整えていることがわかりますよね。
Shop Nowの導入方法は以下の手順です。
- Facebookページの作成
Instagramアカウントしかない場合はFacebookページを作成する必要があります。
無料で作成できるFacebook上のページを作成し、Instagramアカウントと連携させましょう。 - Instagramビジネスアカウントの設定
個人用のアカウントで利用している場合は、Instagramをビジネスアカウントに切り替える必要があります。ビジネスアカウントにするとアクセス状況などを把握できるようになるので、企業アカウントであればぜひ切り替えましょう。 - InstagramビジネスアカウントとFacebookページを連携させる
- Facebookページに商品を登録する
- Instagramの投稿に紐付ける
上記5つの手順を完了すると、数日以内にショップナウの利用ができるようになります。審査の結果承認されると、Instagramアカウントのプロフィール上部に「Instagramで製品をタグ付け」という文章が表示されますので、商品登録の設定を進められます。
ユーザーの購買意欲発生と同時に行動を起こしてもらえるので、インスタグラムで成果を上げていきたい方は、ぜひショップナウを利用していきましょう。
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