SNS運用をしていくと、反応の良い写真とそうでない写真があるでしょう。投稿する時間、ハッシュタグが同じであっても、写真が異なるだけで反応は大きく異なります.SNSでセールスを成功させるためにはユーザの「共感」が重要。共感を得て売れる商品写真を撮影するためには主題・副題の関係性をしっかりと意識しなければなりません。
主題・副題を理解し、写真を組み立てると驚くほど反応の良い写真を撮影できます。
主題・副題とは?
前回の記事でもご紹介しましたが、改めて「主題」「副題」についてご紹介します。
「主題」はPRしたい商品やサービスのこと。そして副題は「主題」を引き立たせる重要な役割を担っています。副題は小物や使用場面をイメージしやすい演出などが該当し、これらをしっかりと考え、作り込むことで、商品・サービスを他人事ではなく、「自分事」として捉えてもらいやすくなります。
副題の手法7選
では、副題はどのように選んでいけば良いのでしょうか? こちらも前回ご紹介した内容ですが、改めて振り返ってみましょう。
小物
主題に関連する小物を「副題」とするパターンは多いもの。
料理をアピールするなら、盛り付ける皿などが「小物」に該当します。このほか、料理を美味しそうに見せるための「箸」「取り皿」なども副題といえるでしょう。写真のなかにシーンをイメージさせるような副題を置くことで、ユーザーはより自分が使用したときのイメージを抱きやすくなります。
小物選びのポイントは状況作り。投稿を見てくれたユーザーが自分事として状況をイメージできるような工夫が必要です。料理なら実際に食べられるわけではありません。そのため、見ているユーザーに味を正確には伝えられませんよね。「食べれば美味しさがわかるんだけど…」が通用しないのがSNSの特徴です。だからこそ、味やお店でのシーンをイメージさせやすいよう食器、クロスなどの小物(副題)を配置するのです。
季節
スポーツドリンクをPRするとき、冬に飲むことを推奨するものってあまりありませんよね。スポーツドリンクといえば、夏に飲むものというイメージを多くの人が抱いています。そこで夏にスポーツドリンクを飲むシーンを印象づけてあげるのです。
時間軸を副題にすると、利用シーンがイメージしやすくなります。スポーツドリンクなら、夏の炎天下で休憩時間に高校生がスポーツドリンクを飲む、といったことをイメージできる写真ならよりスポーツドリンクを飲むその瞬間がイメージしやすくなりますよね。必然的にターゲットは高校生となるでしょう。
季節を感じさせるシーンに商品を設置することで、よりユーザーは共感するのです。
時間
次に考えたいのが時間。いつ使うものなのか? ということです。季節は背景や利用場面などで感じさせられますよね。時間はライティングやテーブルセットなどで感じさせることが可能。朝食の時に飲むコーヒーをPRするなら、小物として「パン」「バター」などがあると「朝食だな」とイメージしやすくなります。
しかし、仕上がった写真が暗いと朝なのか、夜なのかよくわかりません。朝食シーンをイメージさせるなら明るく、淡い色合いというのがポイントです。
光、色、小物をうまく活用すると「時間」を表現できます。
人物
アパレル業界などではモデル入りの写真がイメージしやすいと好まれています。モデルを副題として活用すると、ユーザーが自分事としてとらえやすくなるのです。
モデルを使う場合は、モデルのイメージが強くなりすぎないよう注意。モデルは顔を写さない、商品のみにピントを合わせるという戦略をとるブランドも。そうすればモデルの顔といったノイズ情報はユーザーの印象に残りにくくなり、商品だけに注目してもらえるためですね。
ファッション業界だけでなく、飲食店や旅行業界であっても人が写っていた方がイメージしやすくなります。温泉をただ見せるのではなく、誰かが入浴しているシーンの方が自分事としてとらえてもらいやすくなるのです。
演出
商品自体に工夫する演出も有効。ラーメンの写真を美味しそうに見せる工夫として「箸上げ」がこれに該当します。麺を箸で持ち上げて撮影する手法ですが、麺を持ち上げるという商品に「演出」を加えることで、より美味しそうに見せているのです。
小物などを配置せず、商品自体に「演出という副題」を加えることでよりイメージしやすくしています。
関連の薄い小物
デザイン性の高い主題をPRするなら、あまり主題とは関係のない小物を配置する、という手法もあります。ユーザーにイメージさせるという基本は変わりませんが、関連の薄い小物を置くことも「副題」として有効な場合があるのです。
商品単体でも充分に広告になるほどデザイン的に優れた商品の場合は、余計な装飾は必要なく、商品の魅力一点突破でも良いでしょう。しかし、ブランドイメージを持ってもらうためにも、周りに関連の薄い小物を装飾するように配置すると主題が引き立ちます。
その際は、色で統一感を出したり、形で統一感を出したりとちぐはぐな印象にならないことが重要で、主題以外に余計なノイズを載せないよう工夫しましょう。
単体撮影
また、デザイン性が優れた商品をPRするなら、商品だけの単体撮影も有効です。しかし、白背景で商品単体を撮影するとただのカタログ写真になる点には注意が必要で、撮影するときは空が背景に相応しいなら空を、木目でナチュラルな風合いを見せたいなら木目を、といった形で背景を工夫しましょう。
主題を際立たせる副題のコツ
では、ここからは主題を際立たせる副題のコツについて見ていきます。主題を際立たせるための手法をご紹介してきましたが、このほかにはどのような工夫があるのでしょうか?
レイアウト
風景などの自然を被写体とする場合と異なり、商品写真は「主題」「副題」の位置を自分で決められます。だからこそ、どのように置くかというレイアウトに工夫することで、どこを見てほしいのか誘導できるのです。たとえばアクセサリーなどをPRするときは、普段身につけるものをずらりと並べてみたり、同じ形の被写体をいくつも置いたり、といったように画面内に規則性を持たせるとオシャレに、そして美しく魅せることができます。
また、あえて乱雑に置いて生活感を出す、というのも有効。しかし、乱雑に置くのは高度なテクニックで、トーンや色味を揃える必要がある点には注意しましょう。
このほか、形や大きさの異なる商品の向きを揃えて配置したり、形を揃えて配置したり、あえて被写体を重ねてみたりとレイアウトは工夫の余地が多分にある領域です。
同じ形の被写体
乱雑に置く
シチュエーション
撮影場所、シチュエーションを副題として用いるのが有効なのはここまでお伝えしてきたとおりです。テーブルの上にパソコンを置くと仕事場なのかな? と想像できますし、パンとコーヒーがあれば朝食かな? とイメージできます。こうしたシチュエーションを想起させる副題を配置するのも重要です。
食器や食べ物を明るい室内の窓際に置くことで、幸せで温かな空気感を演出することも可能。シチュエーション作りを行い、そのなかに主題を置くことで、より主題を際立たせられるのです。
テクニック
ここまでは主題を引き立たせるもので、主題はしっかりと見せるものがほとんど。しかし、主題をあえて「隠す」というテクニックもあります。主題を際立たせようとしすぎると写真が不自然になってしまいます。あえて隠すことで、自然な写真に仕上がり、Instagramに馴染みやすくなります。
主題をしっかりと見せる場合、多くは主題とトーンを変えた副題を置きますよね。例えばパソコンが主題の場合、どうしても画面内で一番目立つ部分にパソコンを置きたくなります。しかし、あえてパソコンを利用しているシーンを作り、ほかの小物が目立つようにするとどうでしょう? そこがオシャレな空間なら、「このパソコンを使うことで始まる生活」みたいなのをイメージさせられます。このようにあえて隠すことで、商品の世界観を伝えられるのです。
主題を際立たせるワンポイントアイテム
それでは最後にあると便利なアイテムをご紹介します。
主題を引き立たせるアイテムとして「丸い雑貨」「細長い雑貨」「長方形の雑貨」があると非常に便利。
たとえば丸い雑貨の代名詞「食器」は、比較的どんな被写体にも合わせやすいので用意しておいて無駄ではないでしょう。長方形の雑貨ならノートや手帳、財布、カメラなんかが該当します。細長い雑貨はペンやカトラリーなどが該当しますよね。このようなアイテムを用意しておくと、写真の幅がグッと広がります。
このほか、スキマを埋めるアイテムも重要です。副題をそこまで重視せず、商品単体で勝負する場合であっても、どうしても画面がさみしくなることがあります。ユーカリの葉や星形の装飾などがあると、隙間を埋めるのにぴったり。隙間を埋められるようなパーティグッズや緑の小物は準備して起きても良さそうですね。
あとは、背景作りに欠かせない「クッションフロア」「テーブルクロス」などもあると良いでしょう。クッションフロアやテーブルクロスは簡単に背景のイメージを変えられますし、さまざまな種類があるので、何種類が酔いしておいても良いですね。
「丸い雑貨」
「長方形の雑貨」
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