ECサイト運営に欠かせないツールのひとつがInstagramです。Instagramには「ショッピング機能」が備わっており、ショッピングタグのついた投稿から商品購入ページに直接誘導できます。2017年に一部の国で提供開始された機能で、2018年6月からは日本でも提供が開始されました。
Instagramでは基本的に、投稿にリンクを貼り付けられないため、ECサイトへの着地率が悪いという点が課題でした。ショッピング機能導入前は、ユーザーがほしいと思う商品に出会ったら、自ら検索し、販売サイトにたどり着かなければなりませんでした。しかし、ショッピング機能が導入されたことで、外部ECサイトへスムーズに遷移させられ、商品購入につなげやすくなったのです。現時点ではパソコンからショッピング機能は利用できず、スマートフォンアプリ限定の機能となっていますが、多くのユーザーはスマートフォンを利用しているので、さほど大きな問題ではないでしょう。
さまざまなアカウントでショッピング機能を導入していますが、上手に活用できているところもあれば、さほど上手に活用できていないところもあります。そこで今回は先行して導入されている海外の事例から、日本でうまくショッピング機能を活用する方法を探っていきましょう。
※ショッピング機能については過去記事「インスタグラムショッピング機能(ショップナウ)の概要と導入方法」をご覧ください。
ColourPop Cosmetics
Instagramのフォロワー数、780万人を誇るアメリカ・ロサンゼルス発の人気コスメブランド「colourpop」。コスメ好きからはカラポという愛称で親しまれています。特徴はなんといってもアイシャドウが1つ5ドルというプチプラブランドであること。低価格なのに発色が良かったり、カラーバリエーションが豊富だったりと女性から大人気のプチプラブランドです。
日本には未上陸ですが、海外から個人輸入する人も多いそう。カラポはもともと自社通販サイトで海外販売に対応していましたが、Instagramのショッピング機能を活用することで、ユーザー層を広げ続けています。
▲ショッピング機能を使った投稿例
Magnolia Boutique
若い女性をターゲットとしたファッションを取り扱うアメリカのオンラインショップ「MAGNOLIA BOUTIQUE」もショッピング機能を上手に活用しています。
帽子、靴といった小物アイテムも取りそろえており、ほぼすべての投稿にショッピング機能を付与しています。モデル入りの投稿が多く、モデル着用アイテムそれぞれにショッピング機能を付与しているので取りこぼしがありません。また、画像は複数枚投稿するのではなく、1枚の写真ですべてがわかるよう工夫されている点も真似できるでしょう。
▲ショッピング機能を使った投稿例
CASETiFY
スマートフォンやタブレットのケースなどを販売するオンラインショップ「casetify」。フォロワー数はもうすぐ100万人といったところで、これまでの投稿数は5,000を超えています。投稿の特徴はスマートフォンやタブレットケース単体だけでなく、女性の手を入れたものも多い点です。実使用のイメージがつきやすいので、販売につながりやすいのでしょう。
自撮りしたときのイメージなどもわかりやすいので、自撮りをしたときに「オシャレなスマホケースを見せたい」という女性の需要をとらえたものとなっています。このケースをスマートフォンやタブレットに装着することで、自分の生活がどう変わるのか? ということを明確にイメージさせてあげているので、売り上げが好調なのでしょう。
▲ショッピング機能を使った投稿例
NATIVE UNION
ユーティリティーを販売する「NATIVE UNION」は、Instagramのストーリーズ機能を使って宣伝を行ったところ、Instagramによる流入が2,666%アップしたことで話題となりました。日常使いできる、洗練された印象のアイテムを多数販売している同社も多くの投稿でショッピング機能を付与しています。
投稿は世界観が統一されており、いずれもクールで洗練されたイメージを与えるものばかり。日常使用のイメージというよりは、上質なアイテムを所有することに価値を見出す人をターゲットにしているといえるでしょう。フォロワー数こそ5万人台と少ないですが、こういった商品が好きな人に向けた情報だけを発信し続けています。こちらも、実生活に溶け込む優れたプロダクト、というコンセプトを感じることができます。実生活における使用イメージを強く持たせる投稿が受けているポイントですね。
▲ショッピング機能を使った投稿例
Victoria’s Secret
アメリカ発のファッションブランドで、婦人服や下着、工数、美容用品などを扱う「Victoria’s Secret」。Victoria’s Secretは、下着を実際に購入している姿を見られたくない、というユーザーのニーズに応え、多くのファンを獲得しています。
下着のようなパーソナルな商品の販売はネットショップが向いていますよね。雑誌のように白い背景で下着モデルが着用している、というよりは実生活をイメージしやすい写真で下着を見せるというのは、ユーザーに着用イメージをつかませやすくなります。商品の着用イメージをビジュアルで示し、販売につなげていけるのはInstagramのショッピング機能ならではではないでしょうか?
▲ショッピング機能を使った投稿例
spearmintbaby
赤ちゃん向けグッズの商社「SpearmintLOVE」はショッピング機能を活用したことで、Instagramによる流入が13%アップしました。商品単体ではなく、赤ちゃんが衣服を着用していたり、遊んだりしている様子を見せることで、商品がほしくなるような投稿を行っています。
スタジオでしっかりと撮影しているのではなく、遊園地、ベビーベッド、庭などさまざまなシチュエーションで撮影された画像は、実際の生活とのイメージが結びつきやすいので、商品販売に役立っているのでしょう。赤ちゃん向け商品のアカウントは、商品単体だったり、スタジオ撮影されたものも多いので、こうした投稿は差別化につながっていますね。
▲ショッピング機能を使った投稿例
IKEA FRANCE
日本でも人気のあるインテリアショップ「IKEA」も積極的にInstagramを活用中。IKEAのフランス向けアカウントでは、カタログのように写真がずらりと並んでおり、インテリアやエクステリアが好きなユーザーならいつでも眺めていられるような投稿を行っています。
もちろん、ショッピング機能をしっかりと備えており、気に入ったアイテムをタップすることで、即購入可能。フィードはカタログのようにさまざまな生活シーンがずらりと並び、大きく見たいのなら投稿を開き、詳細を見たいならショッピング機能を活用する、という点はまさにデジタルのカタログ的な運用といえるでしょう。IKEAのようにさまざまな商品を取り扱っている場合は、フィードをカタログ的に使用するのも有効です。
▲ショッピング機能を使った投稿例
Target
ショッピングの投稿を2017年6月23日から開始したアメリカ発のディスカウントストア「Target」。全世界に1,800店舗以上を構えているお店ですが、近年ではリアル店舗ではなく、ECサイトの売り上げを大きく伸ばしていることでも知られます。ショッピング機能もいち早く導入していることからわかるとおり、ショッピング機能と非常に相性の良い商材が揃っています。
ショッピングの投稿は1.48ドルのマグカップから249.9ドルのソファもあるなど、幅広い価格帯で行われています。基本的にはセール品のお知らせと並行する形で、ショッピングの投稿も行っているよう。いかにもアメリカらしい写真がフィードには並んでおり、商材の多いディスカウントストアですが世界観は統一されています。
▲ショッピング機能を使った投稿例
Lulus.com
Lulus社はストーリーズも並行して活用することで、製品の注文を伸ばしています。Lulus社がストーリーズの投稿を行うと、製品の注文数が1,200件も増えるのだとか。投稿は基本的にモデル入りの写真となっており、投稿の50%程度にショッピング機能が備わっています。また、1日に複数の投稿を行っているので、フィードは次々と変わり、賑やかな印象を与えています。
ストーリーズではセールのお知らせなどを行っていて、セール品の価格や割引率など具体的な数字でチラシ的に使っているのが印象的。IGTVなどの動画コンテンツも積極的に活用しており、ユーザーが飽きない工夫を随所にちりばめています。100万人以上をフォロワーを集めるのなら、積極的な更新は欠かせないといえるでしょう。
▲ショッピング機能を使った投稿例
Anthropologie
ハイセンスなインテリア雑貨やファッションアイテムなどを多数そろえるアメリカの人気ブランド「Anthropologie」。特に注目したいのが食器などインテリアアイテムの投稿。部屋の写真では小物ひとつひとつにしっかりとショッピング機能が付加されていて、ほしいと思ったアイテムをすぐに購入できるよう工夫されています。
また、ファッションにおいても着用している衣服はもちろん、ネックレス、ピアスなど小物類にもショッピング機能が設定されています。細かいところまで見る人も多いですから、ちょっとでも「ほしい」と思ったタイミングを逃さないような工夫がされていますね。
▲ショッピング機能を使った投稿例
まとめ
ショッピング機能を追加する上で大事なのは、ユーザーが「ほしい」と思ったタイミングを逃さないことです。せっかくほしいと思ってくれたのに、購入が面倒だったり、ほしいと思ったアイテムにショッピング機能が設定されていなければユーザーはストレスが溜まります。ユーザーの不便さ、ストレスなどを解消できるようにショッピング機能を設定してあげるのが、売り上げアップのポイントといえます。
また、商品自体のアピールを行っても響かない人が多いでしょう。InstagramでうまくいっているECサイトの多くは商品そのものよりも「商品を使うことでどうなるのか」というイメージを持たせています。ファッションアイテムも床に平置きして撮影するよりも、実際にモデルが着用し、日常生活を送っている写真の方がイメージがつきやすいですよね。写真が重要なInstagramだからこそ、イメージの構築が大切なのです。
実際に美容系のインフルエンサーの投稿には「どこのリップを使っていますか?」「どこでカットしていますか?」「カラーは何色ですか?」といった質問が頻繁に投稿されます。モデルのようになるには、どのようなことをすればよいのか? という情報をユーザーは探しているのです。この視点を理解しておくと、どのような商品写真を載せれば良いのか? というヒントになるかもしれませんね。
海外では多くのアカウントがショッピング機能を活用し、売り上げを伸ばしています。日本の成功事例だけでなく、海外のアカウントもチェックし、次のトレンドを理解しておくのも大切だといえるでしょう。
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