飲食業や美容、ファッション、サービス、観光などさまざまな業種でInstagramアカウントを開設し、運用を行っています。これらの業種は自社の魅力をPRすることで、集客につなげたり、自社のブランディングやマーケティングを行えるという大きなメリットがあります。
一方でインフラ系の業種は、Instagramアカウントを運用しても一般ユーザーが購入することは少ないですし、直接売り上げにつながることは少ないかもしれません。しかし、インフラ系の業種であっても多くの企業がInstagramアカウントを開設しています。
インフラ系の仕事は生活を支えている仕事ではありますが、具体的にどのような仕事をしているのか伝えにくいものです。だからこそ、Instagramのような写真や動画で見せるSNSは仕事を伝えるツールとして非常に有効です。
今回はインフラ系に絞り、上手に活用しているInstagramアカウントをご紹介します。これから情報発信するアカウントを作成したり、あまり成果が上がっていないアカウントのてこ入れを検討している場合はぜひ参考にしてみてください。
専用のハッシュタグで投稿をつのる【ANA】
飛行機で赴く旅をメインテーマにアカウントを運用しているANAですが、インフラに欠かせない航空機については専用のハッシュタグでキャンペーンを実施し、意識付けを行っています。
基本情報
- フォロワー数 … 39万9,000人
- 投稿頻度 … 週2,3回
- 平均いいね!数 … 18,000前後
同アカウントの投稿は基本的に旅を想起させるもの。航空機の写真と旅先の写真を1対1で投稿しています。航空会社であることから、航空機を利用してもらわなければなりません。だからこそ、飛行機に乗って旅に出よう、というイメージ付けを行っています。
キャプションはシンプルに一言のみ。写真から感じ取れることを記載しています。
ANAではインフラに欠かせない飛行機の写真を一般ユーザーから募集しています。「#ソラマニ_ヒコーキ」というハッシュタグに投稿された写真はANAの公式Instagramや各メディアで紹介されるとあって、10万件を超える投稿が行われています。
ハッシュタグ、位置情報で目的地を紹介【Japan Airlines】
ANAと並ぶ日本の航空会社「JAL」もInstagramを積極的に更新しており、観光地をPRしています。
基本情報
- フォロワー数 … 34万8,000人
- 投稿頻度 … 週2、3回
- 平均いいね!数 … 12,000前後
JALもANAと同様に旅先の写真と航空機の写真を投稿することで、旅と飛行機を結びつけています。ANAと比較するとかなりビビットな写真が印象的で、映画のような鮮やかな写真がずらりと並んでいます。
キャプション(文章)は英語と日本語を併記。日本人だけでなく、外国人観光客に向けた情報も積極的に発信しています。外国人を意識したような投稿も多く、英語もしっかりと記載していることから外国人のコメントが多いのも特徴です。
また、ハッシュタグも日本語より英語の方が多め。「#japan」「#tokyo」「#kyoto」といった国や地域名の英語ハッシュタグを活用しています。
日本旅行を検討している外国人に向けた旅行系のハッシュタグは有効で、「#japantrip」「#tokyotrip」「#tokyotravel」「#japantravel」「#visittokyo」などのハッシュタグは投稿も多く、閲覧数も多い傾向。旅行系で外国人に向けた投稿を行う場合はこれらのハッシュタグをつけるとよいでしょう。
スポットの魅力をキャプションでしっかり紹介【行くぜ、東北。/JR東日本】
思わず行ってみたくなる、食べてみたくなる写真を多数掲載しているのがJR東日本の東北PR用Instagramです。
基本情報
- フォロワー数 … 3万2,000人
- 投稿頻度 … 週2、3回
- 平均いいね!数 … 3,000前後
写真はユーザーから投稿された写真をメインに使用し、フィードの雰囲気に合うものをチョイスしています。ユーザーの写真を使うことでユーザー同士の交流を生んでいるのが特徴といえるでしょう。
また、キャプションはかなり力を入れて書いています。観光地ひとつひとつに対し、どのような催しが開催されるのか、どんな場所なのか、どんなロケーションなのか、何ができるのかを詳細に伝えています。ガイドブックを買わなくともこの投稿を見るだけで十分なほどの情報量です。
Instagramは写真を重視しがちですが、観光をPRするのであれば、キャプションもしっかりと書きたいところ。スポット名だけでなく、そこがどのような場所なのかも記載することで、より多くのファンを獲得できるでしょう。
また、写真を多く集めるためにInstagramキャンペーンも実施していました。「#行くぜ東北」「#春の東北インスタキャンペーン」を2019年5月19日まで実施。「#春の東北インスタキャンペーン」には18,390件もの投稿があるほど人気のキャンペーンでした。
フォロワーを集めたり、アカウントの認知を高める方法としてはハッシュタグキャンペーンがあります。何を投稿すれば良いのかわかりやすいハッシュタグキャンペーンは、応募も多い傾向にあるので、アバウトにせず、●●を投稿するキャンペーンだ、というのを明確にして実施するのが成功のポイントです。
観光列車の魅力を複数枚投稿で伝える【京阪電車】
一般の列車ではない観光列車の魅力を伝えているのが京阪電車のアカウントです。
基本情報
- フォロワー数 … 2万3,000人
- 投稿頻度 … 週2、3回
- 平均いいね!数 … 1,500前後
1投稿につき、必ず複数枚の写真を掲載して魅力を余すところなく伝えています。鉄道会社らしい電車の写真とともに、電車に乗って訪れられる場所の写真や情報もしっかりと記載しています。
キャプションは補足情報を詳しく掲載しています。料理の場合は味はもちろん、どんな食材が使われているのか、景色の場合はどこでどんなものが見られるのか? などキャプションにしっかりと記載しているので、観光の候補地に挙げやすいのが特徴です。
ハッシュタグはシンプルに場所の名前と「#京阪」というのを共通で使用しています。過度にハッシュタグをつけるのではなく、必要なものをつけているという印象です。併せて英語のハッシュタグも活用しており、英語のハッシュタグをつけている投稿はいいね!数が多い傾向が見られます。
やはり単純にいいね!数を増やすのであれば英語ハッシュタグが有効でしょう。しかし、投稿自体が日本語で行われていたり、位置情報をしっかりと設定しなければ意味がありません。英語ハッシュタグを用いる場合は、外国人にも情報が伝わるような工夫が求められます。
ハッシュタグ、位置情報で目的地を紹介【東急電鉄】
英語の日本語の2本立てでしっかりと情報を伝えているのが東急電鉄です。
基本情報
- フォロワー数 … 1万人
- 投稿頻度 … 週2、3回
- 平均いいね!数 … 500前後
投稿されている写真は日本を感じるものが多く、キャプションは英語がメインで表記されているので、外国人に向けた情報が中心だと考えられます。日本らしい光景のほか、電車の写真も多数掲載しています。
ハッシュタグも英語をメインに使用。「#sakura」や「#livingjapan」など外国人から人気のハッシュタグを積極的に利用しています。
設備と技術を伝える【東京電力グループ(TEPCO)】
電気がもたらす暮らしの豊かさをInstagramでアピールしているのが東京電力グループの「TEPCO」です。
基本情報
- フォロワー数 … 1万1,000人
- 投稿頻度 … 週3、4回
- 平均いいね!数 … 1,000前後
電飾が美しい光景や電灯、鉄塔の写真を数多く投稿しています。いずれも環境と調和している写真が多く、郷愁を誘うような写真がずらりと並んでいます。電気と人の関わり方が見えるような投稿が印象的です。
キャプションでは同社の設備や技術についても述べられており、写真がどんなもので、どのような技術なのかがわかる内容となっています。また、簡単な英語も併記しています。
ハッシュタグは発電所に絡んだものや場所に絡んだものがメイン。このほか英語のハッシュタグも積極的に活用しています。人工物を撮影する際の構図のお手本のような写真が多いため、「#構図」「#art_of_japan」といったタグもつけられています。
明かりのある風景、地域の魅力を伝える【関西電力株式会社】
関西電力の公式アカウントは電気に限らず「明かり」をテーマにした投稿が印象的です。
基本情報
- フォロワー数 … 2万7,000人
- 投稿頻度 … 週3、4回
- 平均いいね!数 … 2,500前後
電力会社で会っても電気の写真はほとんどなく、明かりが生み出す景色を中心とした写真がメインです。どの写真も非常に美しく、しっかりと撮影されているので目を引くものばかりです。灯りの温かみをテーマにしており、関西を中心とした風景写真が多数投稿されています。
キャプション撮影場所と補足情報を追記しています。あまり詳しくは書かず、写真で見せる、という手法をとっています。
関西電力ではInstagramを活用したフォトコンテストも開催しました。アカウントをフォローし、アカウントをメンションして「#あえてシェア」をつけて応募することで賞品が進呈されるもので、多数の応募がありました。ハッシュタグキャンペーンを効果的に使い「関西電力」の名前を広めて行っています。
明かりのある風景、地域の魅力を伝える【九州電力】
九州電力は九州の夜景や灯りをテーマに、風景や電気に関連した写真を投稿しています。
基本情報
- フォロワー数 … 6,000人
- 投稿頻度 … 週2回ほど
- 平均いいね!数 … 450前後
写真は風景が中心ですが、たまに電気を意識する印象的な夜景の写真を掲載するといった運営方法です。電力会社だからといって電気を強く意識させるのではなく、光全体をアピールしているので、多くのファンがいるのでしょう。
キャプションは写真に対して一言を述べるというスタイル。送電線などの投稿については電力会社らしい詳しい説明が添えられています。
ハッシュタグは多め。さまざまなハッシュタグで引っかかるよう数多くのタグをつけています。あまり関係ないものもついていたりするので、もしかすると反感を買うかもしれません。ハッシュタグを設定する際は検索する人の側に立って適正なものをつけましょう。
水源地や水のある風景を紹介する【東京都水道局】
フォトコンテストを開催し、印象的な写真を広く募集したのが東京都水道局です。
基本情報
- フォロワー数 … 256人
- 投稿頻度 … 月2、3回
- 平均いいね!数 … 45前後
投稿数が少ないのでフォロワーは少ないですが、投稿されている写真はハイクオリティなものばかりです。過去に同局で開催したコンテストの入賞作品などを投稿しています。また、水道設備に限らず、水、水源に関連した写真が多く投稿されているので、見ていて飽きません。
キャプションはシンプルで、誰が撮影した写真なのかとフォトコンテスト開催の告知のみです。
ハッシュタグは少なめで必要最低限のもの。フォトコンテストのアピールだったり、東京といったものが使われています。
「音」をブランディングに活用する新しい試み【東京ガス】
音を活用した新たなプロモーションを行っているのがSOUNDS GOODです。
基本情報
- フォロワー数 … 190人
- 投稿頻度 … 週1,2回
- 平均いいね!数 … 5前後
投稿は音と文章がメインです。例えば上に記載したのはガスバーナーの音について。これまで企業で活用されてこなかった「固有の音」をブランディングの重要な要素と捉えて、ASMR化し、コンテンツ化しています。
さまざまな企業とコラボしていますが、東京ガスの工業用バーナーの音も選ばれており、音というのはインフラの新たなプロモーションの切り口かもしれませんね。
まとめ
今回の記事では、企業の運用例を多数ご紹介させていただきました。
Instagramは多くの企業が活用していますが、活用方法は企業によって全く異なります。これから運用を始める場合は先行事例をしっかりと確認して、良いところはまねしつつ運用していくのが効率的な運用の近道です。また、現在伸び悩んでいるアカウントを運用している場合、成功しているアカウントと何が違っているのかを分析し、改善することが運用成功の近道だといえるでしょう。

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