写真撮影・小物選びのコツ!風合いを意識して選ぼう

写真がワンランクアップする小物選びのコツ!風合いを意識して選ぼう
小物選びは非常に難しいもの。特に商品の漠然としたイメージを伝えたいときは小物選びが難しくなります。なんとなくアンティークなイメージを伝えたいとき、どのような小物を配置しますか? アンティークランプを置いたり、雑誌を置いてみたり、革張りのアンティークソファを映してみたりとさまざまなことを行うかと思います。

このように撮影するものによっておすすめの表現方法は異なります。表現方法はいろいろと自分で試し、引き出しをたくさん持っていることが重要です。なかでも小物が果たす役割は大きく、小物によって写真の印象は大きく変わります。しかし、小物選びはとても難しく、被写体との相性、画面内での存在感などさまざまな観点から選んでいかなければなりません。今回は小物選びのコツを中心に、撮影のコツをお伝えいたします。

写真映えを狙うなら力強い小物を

写真映えを狙うなら力強い小物を
photo by CHISA

写真映えを考えた小物選びは、なるべく力の強い小物を用いると解決したりします。力強い小物とは花や植物、食べ物、自然のものなど。これらは画面内に存在するだけで見ている人の目を留めることができます。さらにデザイン性の高いものやデコラティブなものはそれだけで華があるのでオススメ。色に関しては単一でなくても構いませんが、その場合はニュアンスのあるものを選ぶと良いでしょう。さらに文字が書かれているものはついつい目を留めてしまうのでオススメです。

作例ではカメラメインに、小物として本、植物を用いています。本もきちんとしたハードカバー本を用意し、上の本は文字が書かれているものをチョイス。なんとなくこれだけで目が留まりそうですが、とどめに植物も配置。植物が入るだけでちょっとさみしかった画面が一気に華やかになりますよね。

それだけで被写体になり得るものを小物として使用する場合は、目立ちすぎないようにしましょう。ちょっとだけナチュラル、ちょっとだけ知的など、わずかだけ伝わる程度に留めておくのが正解です。このほか、中間色が混ざり合ったようなニュアンスのある色を上手に用いると雰囲気を演出しやすくなります。作例では薄いベージュの布を背景にしていますよね。布の素材感も相まって、若干ナチュラルな印象を受けます。そこにレトロなカメラを配置することで暖かな印象を与えているのです。

ストーリーの一部を切り取る

ストーリーの一部を切り取る
photo by まりか

料理を紹介するにしても、ただ料理の写真だけを撮影するのではなく、人の手を入れたり、食べかけの様子を入れたりすることで、「いつ」「どこで」「誰が」「誰と」「どんなシチュエーションで使うのか」を表現できます。

作例の場合、ちょうどお茶を飲もうとカップに手が触れた瞬間を撮影しています。この写真にもう1セット同じものがあることから、この人はひとりで食事しているわけではないことがわかりますよね。また、もしもこのとき子ども用の椅子が見切れていたりすれば、小さな子どもと食事している、ということも表現できます。

作例にもあるとおり、ライフスタイルのシーンを感じさせるような写真は、何を魅せたいのかをあらかじめ決めておく必要があります。作例のようにライフスタイルを見せる写真なら問題ありませんが、例えばカップを見せたいという意図があるなら、切り取り方を変える必要があるでしょう。

瞬間を切り取る

瞬間を切り取る
photo by kayoko

カップを見せたい場合、カップ単体の撮影も良いですが、例えば紅茶を注いでいる瞬間やスプーンでかきまぜている瞬間など、「瞬間」を切り取ることでより商品を魅力的に見せることができます。人や動物などが画面内に映り込むことで、動きのある様子を伝えやすくなる、というわけです。
コツはあくまでさりげなく。わざとぶれさせたり、顔を入れず手だけに絞ったりするなどの工夫が有効。人の顔を入れるとイメージが固定化される恐れがあるため、パーツだけを入れるのがオススメです。

作例ではアイスにソースをかけている様子。完成品で見せるより、このように瞬間を切り取った方が不思議と美味しそうに見えますよね。また、「自分でかけて食べる」という食べ方の提案にもなっています。瞬間を切り取る写真ばかりでは単調になってしまい、飽きてしまいますが、たまにこうした写真を載せることでフィードのアクセントになります。

動きのある瞬間を切り取った写真を撮影するときは、小物などの色はなるべく背景と被るよう調節しましょう。あくまで人の手はイメージを助けるための黒子、という認識でいた方がよいです。基本的には画面内の色、質感、テイストを揃えたがよいのです。
人の手の質感を背景として用意しているケースはほぼないと思うので、画面内に占める手の面積はなるべく最小限に留めましょう。

アングルは主役が目立つように

アングルは主役が目立つように
photo by MAKIKO

主役を際立たせるにはアングルが重要、ということは感覚的に理解できるかと思います。アングルは真俯瞰(真上)、斜俯瞰(斜め上)、真横、ローアングルと大きく分けると4種類ありますよね。このどれかで商品を撮影していくわけですが、アングルに気をつけなければならないときもあります。

例えば丼に入ったスープを撮影するとき。あまりにも浅い角度で撮影してしまうとスープが全然見えないですよね。その場合、スープがしっかりと見えるよう角度を調節するかと思います。角度が決まれば小物の配置などを動かしていくわけですが、このとき、主役がしっかりと目立つよう調整を行うはずです。このようにアングルは主役を基準に決めていく必要があります。大切なのは写真で何を表現するか、ではなく主役をどう見せるかです。しっかりと主役のことがわかるアングルを見つけていきましょう。

作例では手前のペンダントトップがメイン。きちんと容器の中心に置かれているように見えるよう、カメラを覗きながら場所の調節などを行っていきます。

可愛く見せるときは同じものをふたつ使う

可愛く見せるときは同じものをふたつ使う
photo by hana

可愛い印象を与えるコツは同じものをふたつ並べること。撮りたいアイテムが単体だとなんだか説明的な写真になってしまう場合、思い切って同じアイテムをもうひとつ並べてみませんか? マグカップを撮影するとき、1個で撮影するより、2つ並べて撮影した方がなんとなくオシャレな印象になります。撮影するときは並べるだけでなく、重ねたり、動かしながら可愛いポイントを見つけていきましょう。ひとつでは表現しにくくてもふたつあれば表現の幅がグッと広がります。

作例では同じグラスをふたつ並べて撮影。奥行きを設けることで立体感を演出しています。もしもこの写真がグラス単体の写真だったら、ちょっと味気ない印象だと思いませんか? ふたつ並べるとなんとなく生活をイメージしやすくなりますね。

もしもひとつだとしっくり来ない場合は、似たようなものをふたつ並べて撮影してみてはいかがでしょうか?

まとめ

撮影する上でさまざまなテクニックが存在します。今回はそのなかから、小物に着目し、いくつかご紹介しました。どれも難しいものではなく、ちょっとした工夫ですが、この手間を加えることで写真の印象が大きく変わります。何かしっくりこない、と悩んでいる方はぜひ試してみてくださいね。


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