総務省情報通信政策研究所が平成29年に行った「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(平成30年7月発表)によると、10代の37.4%(n=139)がInstagramを利用しているそう。これは平成29年度の調査なので、2019年2月に発表された株式会社ジャストシステムが実施した「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2018年総集編)」によると、15歳以上の10代は人口比で83.2%がInstagramを利用しているのだとか。
今、これから入学を考えている10代の高校生に学校の魅力をPRするのなら、Instagramは有力な広告のひとつとなるでしょう。Instagramではすでに多くの専門学校がアカウントを開設し、学校の魅力をアピールしています。これらの学校ではどのようなPRを行っているのでしょうか?
今回の記事ではさまざまな学校のInstagramのなかから成功事例を10個集めました。
1.ハッシュタグ投稿キャンペーンでブランド力を強化
特定のハッシュタグをつけた投稿を行うことでキャンペーンに応募できる「ハッシュタグキャンペーン」は通常の投稿と比べ、フォロー外の人にも学校の存在を知らせられるPR方法です。抽選でプレゼントが進呈される場合が多く、プレゼント目当てでも多くの人が参加するので、話題になりやすいのが特徴。
ハッシュタグキャンペーンを上手に活用している学校では、どのようなハッシュタグキャンペーンを行ったのでしょうか?
専門学校のハッシュタグキャンペーン成功事例を3件、見ていきましょう。
1-1.文化服装学院
2019年春にハッシュタグキャンペーンを行ったのが文化服装学院です。こちらのキャンペーンは同学院で行われるドレスコードDayの楽しさなどを発信する狙いで、「ドレスコードInstagramグランプリ」を開催。グリーンを基調としたドレスコードを設け、縛りがある中でどのようなコーディネートが行われたのかを写真に撮って投稿するというもの。
同学院のイベントと合わせることで文化服装学院の名前をPRするという狙いがあります。また、ドレスコードを守ったコーディネートの難しさ、楽しさ、奥深さを感じてもらい、同学院に興味を持ってもらおうという狙いもあります。
応募方法などは簡単で、文化服装学院公式Instagramアカウントをフォローし、ドレスコードDay関連の写真とともに、ハッシュタグ「#文化服装学院」「#文化服装学院ドレスコード」をつけて投稿するだけ。投稿された写真のなかから審査によって3人に1万円分の商品券が進呈されました。
ハッシュタグ「#文化服装学院ドレスコード」には317件の投稿が寄せられました。いずれも学生による投稿ですが、学生自らが楽しんでいる様子を見せることで、現役の学生にアピールを行えますよね。
1-2.中村国際ホテル専門学校
中村国際ホテル専門学校では、Instagramを活用したフォトコンテストを開催。2018年10月27日・28日に行われた「中村祭」の楽しい雰囲気を伝える目的で実施されました。
中村調理製菓専門学校、中村国際ホテル専門学校学園祭で行われた「中村祭」で撮影した写真を応募する、といった内容。応募条件は公式アカウントをフォローし、ハッシュタグ「#中村祭インスタフォトコンテスト」「#ミセドコロ」をつけて投稿する、というものでした。
応募期間は2日間というとても短いものでしたが、「#中村祭インスタフォトコンテスト」には194件もの投稿が行われるなど、大変賑わいを見せたキャンペーンだといえます。
1-3.バンタンデザイン研究所
ファッションやヘアメイク、デザイン映像の専門校「バンタンデザイン研究所」はハッシュタグを活用し、バンタン生たちが何を感じ、何を発信しているのかを重視。ハッシュタグ「#Vantan」をつけて投稿すると、公式ホームページにまとめられる、という仕組みを用いています。
ほかに使われていないハッシュタグを用いることで、自校に寄せられた投稿だけを集めることができます。学生が気になるのは、入学してから何を学び、どうなれるのか。生の学生の声をそのまま拾い上げることで、現役生に伝えることができます。
2.フィード構成の工夫で「インスタ映え」を演出
フィードを美しく組み合わせることで、より印象的に見せられます。通常の投稿よりも手間はかかりますが、フィードの美しさにまでこだわったアカウントは人気があるものが多く、見る人を魅了します。学生たちが楽しい表情を見せている様子を、きちんとデザインされたフィードに載せることで、より強く学校のブランディングを行うことができます。
アカウントを開設するときは、ぜひ「フィード」にまでこだわって作ってみてはいかがでしょうか?
2-1.大阪ブライダル専門学校
大阪ブライダル専門学校はフィードにしっかりとこだわった専門学校のひとつ。特定の写真のとき、水彩画のような枠をあえてつけることで、単調なInstagramのフィードがまるでアルバムとしてデザインされたように変化します。
もちろん、フィードをデザインしてしまうと新たな投稿をしたときにズレが生じてしまうリスクも。ズレてもそれはそれでデザインとして成立するレイアウトが求められます。
パソコン版では余白が大きいため、キレイに表示されませんが、スマートフォンから確認すると余白も小さくなり、しっかりと表示されるのでぜひスマートフォン確認してみてください。
2-2.辻学園 調理・製菓専門学校
調理師学校として名高い辻学園 調理・製菓専門学校もこだわり抜かれたフィードをもっているアカウントのひとつです。投稿する写真をある程度同系色でまとめたり、カテゴリがかぶらないように工夫をしていたりするなど、見ていて飽きないのが特徴です。
どの料理も写真までしっかりとこだわられていて、とても美味しそうですよね。料理は作って終わりではなく、どの角度から撮影すると一番美しいのか? という料理の顔を見つけてあげるのも大切です。
インスタ映えするよう工夫した料理を多く掲載することで、堅苦しい印象は感じませんよね。どういう学校なのかをアピールするのは言葉だけではありません。こうしたフィードを活用することでビジュアルでアピールできるのです。
2-3.ヒロ・デザイン専門学校
デザインの専門学校だけあって、写真の見せ方にもこだわっているのが「ヒロ・デザイン専門学校」。3枚連続同じ人が写った写真を投稿したり、同じシーンを投稿したり、と1行ごとに統一感が見られるのも特徴。
別途卒業アルバムを作らなくとも、Instagramが十分卒業アルバムになるようなクオリティで、写真の色合い・雰囲気が統一されているので、ごちゃごちゃとした雰囲気が全くありません。
Instagramに掲載する写真の順番や、色味などを考えて投稿すると世界観を統一することができます。いろいろと伝えたいことはあるかと思います。しかし、順番なども考えて投稿すると、すっきりとした印象になるでしょう。
3.ストーリーズの工夫でコミュニケーションを促進
Instagramの機能「ストーリーズ」も上手に活用したいですよね。最近では通常の投稿ではなく、ストーリーズだけに投稿するという人もいるので、ストーリーズに投稿することで、閲覧率が上がることでしょう。しかし、ストーリーズは通常の投稿とは異なり、日常など簡単な内容を見せることに特化しています。専門学校がストーリーズを活用する場合、どのような投稿を行っていけば良いのでしょうか?
ストーリーズを上手に活用している専門学校をご紹介します。
3-1.ビジュアルアーツ専門学校大阪
ビジュアルアーツ専門学校の大阪校はとても上手にストーリーズを活用しています。専門学校がストーリーズを活用できるポイントはオープンキャンパスではないでしょうか? ビジュアルアーツ専門学校はオープンキャンパスの告知や質問の受付など、現役生と双方向の場として活用しています。
通常の投稿は学生が日々学んでいる様子などが中心ですが、ストーリーズはガラッと雰囲気を変えたものが多く投稿されているのです。たとえば6月のオススメ情報を掲載したり、学生から寄せられた質問といったずっと残しておきたい情報は、ストーリーズのハイライト機能を使うことでトップに残したままにできます。
突然雰囲気の異なる告知を行うよりも、雰囲気の異なる告知はストーリーズに投稿し、重要なものはハイライトに残す、という使い分けが鍵だといえるでしょう。
フィードは可能な限り統一感を持たせることが大切です。しかし、学校の公式アカウントですからオープンキャンパスなどの告知は行いたいもの。思い切ってストーリーズに告知を任せて、ハイライトに置いておく、というのもひとつの手だといえます。
ビジュアルアーツ専門学校の事例はとても参考になるので、ぜひ一度ご覧ください。
3-2.グラムール美容専門学校
ビジュアルアーツ専門学校とは反対に、告知などの内容をフィードに表示させ、学生たちの楽しげな様子はストーリーズに、という使い分けをしているのが「グラムール専門学校」です。コンテストやショーの内容をフィードに表示させ、ストーリーでは行われたショーの様子などを動画を中心に伝えています。
思い切ってストーリーズに日常的な投稿を行うことで、ぱっと見は学校らしいかっちりとした印象のフィードを作ることができます。しかし、ハイライトからストーリーズをのぞいてみると、アーティスティックなメイクを施す学生の様子が見られたり、生き生きと学ぶ学生の様子が見られたりと、フィードとは大きく印象が異なります。
フィードは写真などの投稿が多いのに対し、ストーリーズでは動画をふんだんに使った投稿を行っているグラムール専門学校。写真はどれもしっかりと撮影されていますが、ストーリーズはスマートフォンで撮影されたようなものばかり。スマホで撮影した親近感のある映像が学生には魅力なのかもしれません。
4.アカウントの使い分けで学内の様子をリアル発信
運用は手間にはなりますが、目的によってアカウントを使い分けると見たい人だけに情報をダイレクトに届けられます。
更新頻度はどのアカウントもある程度そろえたりする必要がある点には注意が必要です。どうしても新しいアカウントに注力してしまいがちになりますが、今までのアカウントを見てくれている人も、楽しみにしてくれている人もいます。だからこそ、更新頻度を極端に変えると、ファンが離れてしまう可能性があります。
ある程度のクオリティと頻度をそろえていく必要がありますが、例えば学科ごとに異なる情報を発信するのであれば思いきってアカウントを分けても良いでしょう。
ここからはひとつの学校で複数のアカウントを活用している例をご紹介します。
4-1.専門学校ビジョナリーアーツ
ビジョナリーアーツでは学科や留学の様子をアカウントを分けて発信しています。複数学科ある場合はさまざまな情報が入り乱れるため、整理が大変ですが、学科別、目的別に分かれているのでとても見やすいですよね。
それぞれの学科できちんと運用されているので、どのアカウントの写真もハイクオリティです。
アカウントを分けると、そのアカウントをどのように利活用していくのか? コンセプトはどうするのか? ビジュアルのルールは? 投稿のルールは? など決めなければならないことがさまざま出てくるでしょう。ビジョナリーアーツのように5つものアカウントを維持するのは大変ですが、2つ、3つくらいならば現実的なところではないでしょうか?
4-2.ベルエポック美容専門学校(原宿)
リポストという機能を活用し、Instagramアカウントを運営しているのがベルエポック美容専門学校です。学生たちの様子は基本的に学生のアカウントから引用する形をとっています。学校側から用意して撮影するのではなく、学生たちのリアルな様子が伝わりやすい仕組みをとなっていますね。
気に入ったポストがあったりすると、直接投稿元の学生のアカウントに訪問できるのも良いポイント。双方向のやりとりが活発になりますし、ほかの学生がどのような活動をしているのかも一目でわかるようになります。なるべく手間をかけずに運営できる方法でもあるので、メディアリテラシーを高めたのならこのような運用方法もありでしょう。
まとめ
専門学校もそれぞれかなり工夫しながらアカウントを運用しています。
これからアカウントを開設する、という場合はしっかりとコンセプトから設計しましょう。どのような写真を投稿するのか? その際にはどのような文章を添えるのか。何時に投稿するか、など品質がぶれないよう、事前にルールを定めておく必要があります。
ここでご紹介した学校が実践しているテクニックを2つ、3つと取り入れて、ぜひ効果的なPRをInstagramで行ってみてください。
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