展示などのイベントの開催にあたって、インフルエンサーの起用は有効です。事前にインフルエンサーを招待し、イベントを体験してもらい、その様子を自信のソーシャルメディアにポストしてもらうことで、一般ユーザーのイベントへの期待感を高め、集客につなげることができます。
しかし、実際にインフルエンサーをどのように活用すれば良いのか悩んでいる運用担当の方も多いのではないでしょうか? ただインフルエンサーを招待しただけでは、大きな集客効果は期待できません。
そこで今回は過去にインフルエンサーマーケティングを行ったイベントをご紹介いたします。今後インフルエンサーマーケティングを行う際はぜひ参考にしてみてください。
展示イベント開催[LOHACO]
LOHACOを運営するアスクル株式会社は、「暮らしに なじむ」をコンセプトに、店頭ではなくECならではのデザインを追求する取組みを行っています。取り組みの発表の場として「暮らしに なじむLOHACO展」を開催しました。
展示イベントの開始直前にはメディア向けの体験会を実施。多くのフォロワーを持つInstagramのインフルエンサーを招待してイベントの体験会レポートや商品の撮影投稿を依頼。
目的としてはイベント情報をSNS上で知ってもらうことと、LOHACOと「暮らしになじむ」の認知度向上、そして理解向上です。SNSはリアルタイム以外にも、過去の投稿が見られることがあります。LOHACOはイベントの情報を知ってもらうだけでなく、あとからその投稿を見た人にLOHACOのことをより深く知ってもらおうとしたのです。
Instagramの「#暮らしになじむlohaco展」には224件の投稿がよせられ、当日の会場の様子の写真がずらりと並んでいます。
▼イベント告知ページ※現在は終了
https://lohaco.jp/event/exhibition/
ポップアップショップ[Beauteen]
人気のヘアカラーリングブランド「Beauteen」の世界観を伝える「Beauteen CAFE」が期間限定で原宿竹下通りにオープン。「Beauteen CAFE」は、カラフルに髪を染めた人気インフルエンサーたちが実際に店頭に立ち、写真撮影などができるカフェ。
「Beauteen CAFE」に参加したインフルエンサーは瀬戸あゆみさんや菅沼ゆりさんなど10万人、20万人ものフォロワーがいるインフルエンサー。彼女らが提供するメニューは、「Beauteen」の12色のヘアカラーをイメージしたカラフルなスイーツ・ドリンク。出来合いのものを提供するのではなく、仕上げは目の前で行うことで色が変わる様子を見せる=カラー剤というイメージ付けを行う狙いもありました。
Instagramを頻繁に利用するユーザーが楽しめるよう、店内にはインスタ映えするスポットも用意。インフルエンサーの告知はもちろん、訪れた人の告知も期待できる店作りを行いました。
▼イベント告知ページ※現在は終了
工場見学ツアー開催[Chanel]
インスタグラマーのJessica Mercedes Kirschnerさんらを工場に招待し、その様子をポストしてもらったのがCHANEL(シャネル)です。実際にフランスの製造工場、そして花畑に招待して、製造工程を紹介しました。ツアー中の写真はハッシュタグ「#newchanel5」をつけて投稿を行いました。
ハッシュタグがついた投稿は2019年6月現在で6,600件以上。このキャンペーンを実施したことで、900万人のメディアユーザーへのリーチを獲得できました。
リノベーションコラボイベント[楽天]
楽天はリフォームも手がけています。しかし、あまり認知度は高くありませんよね。そこで楽天は人気のインスタグラマーyukiさんとコラボレーション。ママ目線でのリフォームを提案しました。
コラボレーションしたyukiさんはameba公式トップブロガー(おうちと暮らしのレシピ運営)で。整理収納アドバイザー1級を持つ2児の母。Instagramのフォロワーは約19万人という人気の人物です。
このコラボレーションでは、使いやすいキッチン、すっきりとした水回り、子どもが安心していられる空間へのリフォームを、yukiさんと一緒にコーディネートするというもの。このほか、実際に住宅におけるyukiさんと楽天がコラボしたソファ、ランチョンマットなどの販売も行いました。
▼yukiさんInstagram
▼楽天公式
https://event.rakuten.co.jp/genre/aw/house/
ファッションイベント[Indie Brand Far 2018]
韓国のファッションイベント「Indie Brand Far 2018」は、今日本でも注目のファッションイベントです。参加したブランドはウィメンズ、メンズ、雑貨など合計200。バイヤーだけではなく、ブロガーなどのインフルエンサーも参加しました。来場者は総合計約6,000人と大賑わいのイベントです。
このイベントではランウェイをスマートフォンで撮影する女性たちが目立ちました。これは事務局が読んだインフルエンサーで、ショーの様子をInstagramなどで伝えたそう。
ファッション感度の高いインフルエンサーは、そのユーザーもオシャレな人が多いもの。だからこそ、ショーの最新の様子を伝えるインフルエンサーの投稿は人気があるのでしょう。インフルエンサーをただ招聘するのではなく、どのようなタイミングで投稿してほしいか? までしっかりと打ち合わせることで、イベントのレポートをより多くの人に見てもらえます。
就活イベント[TRF]
TRF(Tokyo Recruit Festival)は学生が主体となって開催する就活イベントのこと。参加企業は大企業からスタートアップまで幅広いのが特徴で、企業ごとに交流ブースが設けられています。来場者は1,000人以上と大盛況のイベントも、インフルエンサーを起用したそうです。
TRFが通常の就活イベントと異なる点は、一般的な合同説明会のように堅苦しいスーツを着て面接形式で回るイベントではない、という点。明るく親しみやすい雰囲気で、人事担当者だけでなく、経営者と直接話せるほど近い距離感というところ。そもそも「今までの就活のあり方を変える」という思いがスタート地点だけあって、学生たちも自分たちの本音を言いやすいといいます。
TRFは学生が企業に興味がもてるよう、「インフルエンサーツアー」というイベントが設けられています。インフルエンサーとともに企業ブースを回り、インフルエンサーと企業の会話を学生が聞いて興味を持ってもらおう、というものです。実際に自分が話すのではなく、他人が話す様子を聞くことで、企業に興味がわく学生も多いようです。
このほか、インフルエンサーによるトークセッションなども設けられ、就活生にメッセージを送ります。
この就活イベントのポイントはインフルエンサーと一緒に体験できると言うこと。マーケティングにおいて重要なポイントはここで、インフルエンサーと体験させることで学生たちにポジティブな印象を与えることができ、さらにSNSで拡散されるため、ユーザー増加が期待できると言います。
実際にイベントについては多くの人がSNSに投稿を行っています。どの写真も楽しそうで、カジュアルなものばかりなので、就活のイメージががらりと変わりそうです。インフルエンサーの起用は、単純なPRではなく、学生たちに新たな発見も与えてくれます。通り一遍な起用ではなく、こうした起用も面白いのではないでしょうか?
ポップアップショップ[nstagrammer Market by Rハウス in SHIBUYA]
最近はインスタグラマーもブランドをプロデュースしたり、ブランドとコラボレーションしたりしていますよね。彼ら・彼女らが関わるとすぐに売り切れるほど人気なのだとか。
そんなインスタグラマーがプロデュースしたブランドを集めた体験型ポップアップショップ「Instagrammer Market by Rハウス in SHIBUYA」が期間限定で開催されました。このイベントではブランドを手がけたインフルエンサー本人が店頭に立ち、コーディネートを提案。さらにInstagram映えするフォトブースも用意し、写真撮影できる場所も整えました。
インフルエンサーの知名度にただ乗っかるだけでなく、本人と会える、というのはファッション系インフルエンサーを起用する場合は有効な手段だといえそうです。
ポップアップショップ[AG]
アメリカ発のデニムブランドの日本公式ストア「AG」がポップアップshopイベントを開催しました。
同イベントでは、人気イラストレーターのmomoさんとコラボ。momoさんがおすすめするデニムスタイルをイラストでご紹介しています。イベント初日にはmomoさんが実際に来店し、商品を着用。さらにコーディネートのポイントをインスタライブで配信を行いました。
さらにmomoさんのインスタライブを見て訪れた人にはオリジナルトートバッグのプレゼントも実施。店頭とネットを結びつけるようWEBカタログの一覧ページを案内するDMを配布するといった工夫も施しました。
実店舗があってさらにネットも見てほしい場合は、結びつける工夫が大切です。インフルエンサーがインスタライブを行い、それを見た人にプレゼントを進呈する、という手法は良さそうですね。
▼イベント告知ページ
https://www.agjeansjapan.com/contents/news/momo_fashiongram/
ファッションサイトのリアルイベント[GILT]
フラッシュセールサイトGILTが開いたイベントは、インフルエンサーが思わずSNSに投稿したくなる工夫を大量に施しました。イベントをただ開催するのではなく、投稿してもらうためのアイディアをご紹介します。
アイディアは大きくわけてふたつあり、ひとつは「写真を撮りたくなる場や雰囲気を作ること」。
入り口の近くにはフォトブースを設置し、まずイベントは写真撮影からスタートすることを意識づけました。イベントの開始の写真を撮影することで、写真撮影に対するハードルを下げたのです。フォトブースも協賛ブランドロゴを配置したパネルを用意。芸能人のインタビューのような背景で写真が撮れることから多くの人が撮影を行いました。
そして会場内はとにかくInstagram映えを意識。新商品を試せる企業協賛ブースはInstagramボードの用意はもちろん、商品の巨大なボードも用意するなど、写真撮影にインパクトを与えました。
そしてふたつめは「撮影した写真をすぐに投稿できる」こと。
写真を撮影しても、投稿が面倒で投稿しない、のんびりと投稿されてしまっては効果が半減してしまいます。可能ならすぐに投稿してほしいですよね。そこでゆっくりとスマートフォンをいじれるスペースを用意したり、SNSに投稿することを条件に参加できるゲームなどを用意しました。投稿を意識づける仕組みを設けたことで、イベント写真の投稿が活発になったのです。
マラソン大会を企画[DICK’S]
マラソン大会の集客を行ったのがアメリカのスポーツ用品販売のDICK’Sです。DICK’Sは#RunForキャンペーンを展開しました。マラソン大会に参加予定のランナーが「2014年ピッツバーグ・マラソン」にかける個人的な思いを画像や動画でInstagramやTwitterなどに投稿しました。
参加予定のランナーのうち、20人の健康志向のインフルエンサーにマラソンに対する投稿を依頼。インフルエンサーたちは158件のコンテンツを投稿し、Instagram、twitterを併せて70万人にリーチ。560万以上のユーザーがSNS上で「2014年ピッツバーグ・マラソン」を話題にしました。
まとめ
インフルエンサーに告知を行ってもらうだけでは、十分な効果を発揮できません。なにかプラスアルファの要素が求められます。
インフルエンサーは、なんでもアップするわけではなく、自分の価値観に合致するものの写真を撮ってアップしています。インフルエンサーを起用する際は、そのインフルエンサーの雰囲気に合った環境作りが大事だといえそうですね。
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